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金属3Dプリンターにはさまざまな造形方式がありますが、特に高精度な造形が可能な方法としてSLM方式(選択的レーザー溶融)とEBM方式(電子ビーム溶融)が広く活用されています。
どちらも金属粉末を高エネルギーで溶融・凝固させる積層造形技術ですが、それぞれ特性が異なり、用途に応じた最適な選択が求められます。
SLM方式とEBM方式の違いを詳しく解説し、金属3Dプリンターの選び方について紹介します。
【SLM方式とEBM方式の基本的な違い】
SLM方式とEBM方式は、どちらも金属粉末を層ごとに溶融・凝固させる造形技術ですが、使用するエネルギー源やプロセスに大きな違いがあります。
1. エネルギー源の違い
・ SLM方式は高出力レーザーを使用し、局所的に金属粉末を溶融
・ EBM方式は電子ビームを利用し、より広範囲を一度に溶融
2. 造形環境の違い
・ SLM方式は不活性ガス(アルゴンなど)の雰囲気下で造形
・ EBM方式は真空環境で造形し、酸化を防ぐ効果がある
3. 造形速度の違い
・ SLM方式は細かいレーザースポットで精密に造形するため、比較的時間がかかる
・ EBM方式は電子ビームで一度に広い範囲を溶融できるため、造形速度が速い
4. 精度と表面仕上げの違い
・ SLM方式は高精細な造形が可能で、後処理の手間が少ない
・ EBM方式は熱影響が大きいため、ラフな表面仕上げになるが、強度が向上
5. 材料の違い
・ SLM方式はステンレス鋼、アルミ合金、ニッケル合金など幅広い金属に対応
・ EBM方式は主にチタン合金や高融点金属に適用される
【SLM方式が適している用途】
SLM方式は、精密な部品製造に向いており、以下のような用途で活用されています。
1. 航空宇宙部品
・ 高精度が求められるエンジン部品や航空機の構造部品
・ 軽量化と強度向上を両立するトポロジー最適化設計に適用
2. 自動車部品
・ EV用軽量構造部品や高強度パーツの製造
・ 冷却流路を持つ部品や一体成形が求められるパーツ
3. 医療分野
・ 人体に適合するカスタムインプラントや人工関節の製造
・ 微細な表面加工が必要な医療機器
4. 精密機械・電子部品
・ 小型で高精度な機械部品の試作や製造
・ 放熱性を向上させるヒートシンクなどの電子部品
【EBM方式が適している用途】
EBM方式は、耐熱性や強度が求められる部品の製造に向いています。
1. 航空宇宙分野
・ 高温環境に耐えるジェットエンジン部品やタービンブレード
・ 高融点金属を使用した耐熱部品
2. 医療分野
・ チタン合金を用いた人工関節やインプラントの製造
・ 多孔質構造を活用した骨と結合しやすいインプラント
3. 産業機械部品
・ 高強度が求められる機械の部品や工具の製造
・ 大型で複雑な形状を持つ部品
【SLM方式とEBM方式の選び方】
金属3Dプリンターを選ぶ際は、造形する部品の用途や必要な特性を考慮することが重要です。
1. 高精度が必要な場合
・ SLM方式が適している
・ 精密な寸法管理や滑らかな表面仕上げが求められる部品の製造に最適
2. 高強度や耐熱性が求められる場合
・ EBM方式が適している
・ 溶融時の熱影響が大きいため、内部応力が少なく、耐熱性の高い部品に向いている
3. 造形速度を優先する場合
・ EBM方式の方が高速で造形可能
・ 特に大型部品の一括造形に適している
4. 対応材料で選ぶ場合
・ SLM方式はステンレス鋼、アルミ合金、ニッケル合金など幅広い材料に対応
・ EBM方式はチタン合金や高融点金属の造形に適している
【まとめ】
SLM方式とEBM方式は、それぞれ異なる特性を持ち、用途に応じた選択が重要です。
SLM方式は高精度な造形が求められる部品に適しており、航空宇宙、自動車、医療、精密機械分野で広く活用されています。
一方、EBM方式は強度や耐熱性を重視する部品に向いており、航空宇宙や医療、産業機械分野での導入が進んでいます。
用途や求める性能を明確にし、最適な造形方式を選択することで、より効果的な金属3Dプリンティングが可能になります。
日本積層造形株式会社では、SLM方式・EBM方式の両方に対応した金属3Dプリント技術を提供しています。
試作から量産までの支援を行い、お客様のニーズに合わせた最適な造形ソリューションを提案いたします。
金属3Dプリンターの導入や活用をご検討の企業様は、お気軽にお問い合わせください。
【お問い合わせ】
日本積層造形株式会社
〒985-0874 宮城県多賀城市八幡一本柳3-8
TEL:022-290-0625
FAX:022-290-0631
URL:https://www.jampt.jp
| 会社名 |
日本積層造形 株式会社 (にほんせきそうぞうけい) |
エミダス会員番号 | 95395 |
|---|---|---|---|
| 国 | 日本 | 住所 |
日本 宮城県 多賀城市八幡 |
| 電話番号 | 022-290-0630 | FAX番号 | 022-290-0631 |
| 資本金 | 9,900 万円 | 年間売上高 | |
| 社員数 | 32人 | 担当者 | |
| 産業分類 | 重電関係 / 産業用機械 / 輸送機器 | ||
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