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金属3Dプリンターは、樹脂3Dプリンターとは異なり、産業向けの高価な設備です。
導入を検討する際は、装置の選定だけでなく、運用コストや対応鋼種、メンテナンスなども考慮する必要があります。
本記事では、レーザー方式(L-PBF)の金属3Dプリンター導入前に比較・検討すべきポイントを、複数の装置を運用する当社の視点から詳しく解説します。
【金属3Dプリンター導入時に比較・検討すべきポイント】
金属3Dプリンターを導入する際、以下の点を事前に確認することが重要です。
・ 装置価格(初期投資とランニングコスト)
・ 対応鋼種と粉末管理(異種金属の管理方法)
・ 造形可能なサイズ(造形領域と精度)
・ 装置性能(レーザー出力、スキャン速度など)
・ 運用負担(メンテナンス、粉末交換のしやすさ)
・ 代理店のサポート体制(部品供給、技術支援)
これらの基本項目に加えて、実際の運用プロセスを理解することが重要となります。
【レーザー方式の金属3Dプリンター運用プロセス】
レーザー方式(L-PBF)の金属3Dプリンターの運用は、以下の4つの工程に分かれます。
1. 3Dプリント前準備(粉末充填・交換、造形パラメータ設定、サポート設計)
2. 3Dプリント(造形時間と装置の違い)
3. 3Dプリント後の取出し・仕上げ(粉末回収、サポート除去、表面処理)
4. メンテナンスとランニングコスト(消耗部品、ガス使用量、代理店の対応)
1. 3Dプリント前準備
■ 粉末充填・交換
・ 金属粉末(数十kg~100kg以上)を装置に充填
・ 異種金属を使用する場合は、粉末交換と清掃作業が必要(清掃時間は装置によって異なる)
■ 造形パラメータ設定
・ 主なパラメータはレーザー出力、スキャン速度、積層厚(積層ピッチ)など
・ メーカー提供の推奨設定を使用可能だが、高度な造形にはオリジナル調整が必要
・ パラメータ設定の自由度は装置メーカーごとに異なるため、材料開発を目的とする場合は慎重に選定
■ サポート設計/造形レイアウト設計
・ 造形時の熱変形を防ぐため、適切なサポート材を設計
・ 専用ソフトウェアで配置設計を行い、スライスデータに変換(ソフト購入が必要)
2. 3Dプリント(造形時間と装置性能)
・ レーザーの数が造形時間に影響(1レーザー、2レーザー、4レーザー機種がある)
・ 多レーザー機種は造形時間が短縮されるが、導入コストが高額(1レーザー追加で数千万円)
・ レーザーは経年劣化するため、交換時期とコストも考慮する
3. 3Dプリント後の取出し・仕上げ
■ 造形物の取り出し
・ 造形プレートからの分離にワイヤーカット等が必要
・ 造形後の金属粉末は再利用可能だが、酸化を防ぐための管理が必要
■ サポート材の除去と表面仕上げ
・ サポート材は工具で除去(作業時間が数時間かかる場合も)
・ 造形後の表面粗度はブラスト処理後でもRa10程度(当社実績)
・ 精度向上のため、追加の機械加工や熱処理が必要な場合がある
4. メンテナンス・ランニングコストと代理店サポート
■ メンテナンスと消耗品コスト
・ 年1回の定期メンテナンスを推奨(消耗部品交換を含む)
・ 主なランニングコストはガス(アルゴン・窒素)、シール材、ブレードなど
■ 代理店のサポート体制
・ 海外メーカーが多いため、国内代理店の対応力が重要
・ 消耗部品の在庫状況や日本人技術スタッフの有無を確認
【まとめ】
金属3Dプリンターは、スイッチを押せば簡単に造形できるわけではなく、運用には経験やノウハウが必要です。
導入を検討する際は、装置の性能や価格だけでなく、運用面での負担やメンテナンス体制も比較・検討することが重要です。
導入前に検討すべきポイントは以下の通りです。
・ 装置の基本性能(価格、対応鋼種、造形サイズ)
・ 運用コスト(粉末管理、メンテナンス、ランニングコスト)
・ 作業負担(粉末交換、サポート除去、表面仕上げ)
・ 代理店のサポート体制(部品供給、技術支援)
日本積層造形では、金属3Dプリンターの受託造形、造形パラメータ開発、DfAM支援、金属粉末の製造販売など、金属積層造形に関する総合サービスを提供しています。
導入を検討されている企業様向けに、レーザー方式(L-PBF)および電子ビーム方式(EB-PBF)の導入アドバイスも可能です。
詳細については、お気軽にお問い合わせください。
【お問合せ先】
日本積層造形株式会社
〒985-0874 宮城県多賀城市八幡一本柳3-8
TEL:022-290-0625
FAX:022-290-0631
URL:https://www.jampt.jp
| 会社名 |
日本積層造形 株式会社 (にほんせきそうぞうけい) |
エミダス会員番号 | 95395 |
|---|---|---|---|
| 国 | 日本 | 住所 |
日本 宮城県 多賀城市八幡 |
| 電話番号 | 022-290-0630 | FAX番号 | 022-290-0631 |
| 資本金 | 9,900 万円 | 年間売上高 | |
| 社員数 | 32人 | 担当者 | |
| 産業分類 | 重電関係 / 産業用機械 / 輸送機器 | ||
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