工作機械
冶具
生産設備
この写真に写っている製品は、A2017(ジュラルミン)材を使用して製作された高精度平面研磨加工品です。A2017はアルミ合金の中でも代表的な高強度材料であり、軽量でありながら強度・被削性・耐摩耗性に優れ、精密機械部品や航空機構造部材などに幅広く使用されています。本製品は、精密な平面研磨によって歪み0.01mm以下の高精度を実現しており、機械加工と研磨加工の両面から見た「精度管理の重要性」を示す好例です。
■ A2017(ジュラルミン)の特性と用途
A2017は、アルミニウムに銅(Cu)を主要添加元素として加えた時効硬化型の高強度アルミ合金です。T4やT6などの熱処理状態で使用され、引張強さは400MPa前後と高く、軽量かつ剛性を必要とする構造部品に多用されています。
また、被削性にも優れ、切削加工で美しい仕上げ面を得られる一方で、熱や応力による歪みが発生しやすいという特性もあります。特に、厚みのある円盤形状の部品では、切削時の熱膨張や工具負荷によって微小な変形が内部に蓄積し、後工程での精度に影響を及ぼすことがあります。
本製品では、そうしたA2017の特性を熟知したうえで、熱処理→切削加工→平面研磨という工程を最適化し、最終的に歪み0.01mm以下の精度を達成しています。
■ 切削加工後に残る歪みと、その確認ポイント
写真中央付近を見ると、同心円状のカッターマークが確認できます。これは、切削加工(主にフェイスミルなど)によって表面を仕上げた際に残る工具の送り痕です。一見美しい切削面に見えますが、実際にはこのカッターマーク部分に微細な残留応力が存在し、切削工程だけでは完全な平面精度が得られていないことが多いのです。
一方、外周側には平面研磨による均一な研削目が確認できます。研磨面は光の反射が均一で、表面の凹凸が極めて少ないことがわかります。つまり、中央部の切削痕と外側の研削痕を比較することで、切削工程だけでは歪みが残っていることが視覚的にも確認できるのです。
この違いは、A2017のようなアルミ材特有の「熱変形と内部応力の残留」を表しており、最終的な平面精度を保証するためには研磨工程が不可欠であることを示しています。
■ 平面研磨による精度補正と高品質仕上げ
本製品の平面研磨では、精密マグネットチャック上にワークを吸着し、表面全体を均一に研削しています。吸着時の変形を防ぐため、裏面には吸着圧を分散させるスペーサーを配置し、クランプ歪みを最小限に抑える冶具設計が採用されています。
さらに、砥石はアルミ材に最適化されたWA系(ホワイトアランダム)砥石を使用し、研削熱を最小化するために充分な冷却液循環と低圧研削条件を維持しています。これにより、ワーク全体の温度上昇を抑え、加工中に生じる熱歪みを極限まで防止しています。
また、粗研磨と仕上げ研磨を分けて実施することで、残留応力の開放と形状補正を段階的に進め、最終的に歪み0.01mm以下の高精度な平面を実現。研磨終了後には、非接触式三次元測定機による平面度測定を行い、規格値内であることを確認しています。
■ 加工工程全体における精度管理の流れ
1.材料準備・焼鈍処理
・A2017素材を応力除去焼鈍(O材)状態で入手。内部応力を低減することで加工変形を予防。
2.粗切削・中仕上げ切削
・フライス加工にて形状を整え、外径・内径の寸法を仮決め。
・この段階で真円度や平行度を確保しつつ、仕上げ代を残す。
3.仕上げ切削後の歪み測定
・切削応力による反り・うねりを測定。必要に応じて反対面を軽く削り、バランスを取る。
4.平面研磨(粗研磨→仕上げ研磨)
・外周側から中央へ向けて均一に研削。砥石の目立てを定期的に実施し、砥石面の平行度を保持。
5.最終検査(平面度・歪み・表面粗さ)
・三次元測定機・オートコリメータ・表面粗さ計を用いて全数検査。
・平面度0.01mm以下、表面粗さRa0.2以下を達成。
このように、A2017の特性を理解した上で、切削加工の限界を平面研磨で補うプロセス設計が行われています。
■ 表面品質と外観から読み取れる精度の証
写真全体を見ると、外周部の研削痕が非常に均一で、光の反射もムラがありません。これは砥石とワークの接触が完全に安定していることを示しており、表面全体で均等な材料除去が行われている証拠です。
また、中央部の切削マークとの対比により、平面研磨後の表面精度の高さが一目で分かります。研磨後の表面は鏡面に近い輝きを持ち、精密部品として十分な外観品質を確保しています。
A2017は軟質なため、研磨中に砥石が目詰まりを起こすと研削焼けや曇りが生じやすいのですが、本製品ではそれが全く見られず、適切なドレッシング管理と冷却制御がなされていることがわかります。
■ まとめ
この写真に示されたA2017材の平面研磨加工品は、
素材特性(A2017)の理解、
切削工程での応力管理、
平面研磨による歪み補正、
を徹底することで、歪み0.01mm以下という極めて高い精度を実現した製品です。
中央部のカッターマークと外周部の研削痕の違いからも、切削のみでは歪みが残ることが視覚的に確認でき、それを補正する平面研磨工程の重要性が明確に示されています。
このような技術の積み重ねこそが、精密加工業における信頼性と品質の根幹であり、A2017材の高精度加工技術は、今後も軽量化・高精度化が求められる産業分野で大きな役割を果たしていくでしょう。
お問い合わせ・お見積りはお気軽に!
「この部品、製作できますか?」「図面だけ渡して全部任せたい」そんなご要望があれば、ぜひ当社までご相談ください。図面丸投げOK・一貫生産対応・高精度保証の体制で、御社のものづくりを強力にサポートいたします。
お見積り依頼・技術的なご質問など、お気軽にお問い合わせください。経験豊富なエンジニアが迅速・丁寧に対応いたします。
【お問い合わせ・お見積もりはこちら】
株式会社石川研磨
〒448-0001
愛知県刈谷市西境町森108-2
TEL:0566-62-7751
FAX:0566-62-7773
担当:石川 晃
URL https://www.ishikawa-kenma.co.jp/
e-mail gyoumu-kannri@ishikawa-kenma.co.jp
X (旧Twitter) twitter.com/ishiken_gogo
YouTube https://www.youtube.com/@user-zi6eo1pi9f
メールでのお問い合わせや図面の送付にも対応しております。お気軽にご連絡ください。
| 会社名 |
株式会社 石川研磨 (いしかわけんま) |
エミダス会員番号 | 94781 |
|---|---|---|---|
| 国 | 日本 | 住所 |
日本 愛知県 刈谷市 |
| 電話番号 | 0566-62-7751 | FAX番号 | 0566-62-7776 |
| 資本金 | 300 万円 | 年間売上高 | |
| 社員数 | 45人 | 担当者 | 石川 晃 |
| 産業分類 | 重電関係 / 治工具 / 工作機械 | ||
コンテンツについて
サービスについて
NCネットワークについて
