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金属部品の防錆や寸法への影響を抑える目的で表面処理を検討するとき、候補の一つとなるのがレイデントです。しかし、実際の課題を整理すると、防錆だけでなく「摩耗を抑えたい」「かじりや焼き付きを防ぎたい」「クロムフリーにしたい」「絶縁性も持たせたい」といった要求が含まれていることがあります。
レイデントだけを前提に処理方法を決めると、必要な機能に合う別の選択肢を見落とす可能性があります。その一つが、常温セラミックコーティング「ERIN(エリン)」です。
レイデントとERINには、薄膜で処理できることや寸法への影響を抑えやすいという共通点がある一方、処理方法や得られる機能には違いがあります。どちらかが一律に優れているのではなく、用途や課題によって使い分けることが重要です。
レイデントとERINの違いを整理し、防錆、耐摩耗、クロムフリーなどの要求から表面処理を選ぶポイントを紹介します。
【技術・製品概要】
レイデントは、電気メッキ的手法と機能性コーティングを組み合わせた表面処理技術です。常温もしくは低温で処理し、1~2μmの極薄膜を形成します。高い防錆力を持ち、鉄、ステンレス、アルミなど多様な材料に適用できます。
ERIN(エリン)は、常温で微粒子を基材へ衝突・圧着させるAD法を応用したセラミックコーティングです。完全クロムフリーで、高密着・高硬度のセラミック膜を形成します。一般的な膜厚は1~2μmで、薄膜によって耐摩耗性や絶縁性などの機能を付与できることが特徴です。
〈製品概要〉
・レイデントの膜厚:1~2μm
・レイデントの主な特徴:防錆、薄膜、部分マスキング対応
・ERINの膜厚:1~6μm程度
・ERINの一般的な膜厚:1~2μm
・ERINの皮膜硬度:HV1000~1400
・ERINの主な特徴:完全クロムフリー、耐摩耗性、絶縁性、耐熱性、かじり・焼き付き防止
・ERINの成膜可能サイズ:高さ200mm、横幅800mm、奥行300mm
・ERINの内径成膜:Φ26以上×500mm以内の貫通穴
・ERINの部分マスキング:対応可能
【特長・技術ポイント】
〈防錆を中心に考えるならレイデント〉
レイデントは高い防錆力を持ち、1~2μmという極薄膜で処理できることが特徴です。防錆性能を付与しながら、処理による寸法への影響をできるだけ抑えたい部品に適しています。
ねじ山や細部まで処理でき、不要な箇所には部分マスキングも可能です。また、大物や長尺物に対応する処理ラインがあるため、必要な性能だけでなくワークサイズを基準に選定する場合にも候補となります。
〈耐摩耗・かじり対策ならERINも比較する〉
防錆だけでなく摩耗が課題となっている場合は、ERINも比較したい表面処理です。ERINはHV1000~1400の高硬度なセラミック膜を形成し、耐摩耗性を持たせることができます。
かじりや焼き付きの防止にも対応し、シャフト摺動部への成膜実績があります。DLC代替による寿命向上を目的とした実績もあり、摺動する部品の表面処理を検討する際には、要求性能から適否を判断することが重要です。
〈クロムフリーを重視するならERIN〉
ERINは六価クロムを用いない完全クロムフリーの表面処理技術です。そのため、部品性能に加えて環境負荷物質への対応が選定条件となる場合にも候補となります。
表面処理を見直す際は、防錆や摩耗対策といった機能だけでなく、使用する物質についても条件を整理する必要があります。「薄膜処理をしたい」という条件にクロムフリーが加わる場合は、ERINを選択肢に含めて比較することがポイントです。
〈絶縁性など付加機能が必要なら選び方が変わる〉
ERINには絶縁性があり、半導体・チップ測定装置部品への絶縁特性付与という成膜実績があります。また、耐熱性やアウトガスがほとんどないという特徴もあり、真空環境を含む用途についても検討できます。
必要な機能が防錆だけではない場合、レイデントを探していたとしてもERINが候補になることがあります。処理方法の名称ではなく、部品に必要な性能を起点に比較することが重要になります。
【活用例】
〈防錆を重視する精密部品〉
錆を防ぎながら処理後の寸法への影響を抑えたい場合は、レイデントが選択肢になります。1~2μmの極薄膜で、ねじ山や細部への処理、部分マスキングにも対応できるため、部品形状を踏まえて検討できます。
〈摩耗やかじりが発生する摺動部〉
シャフトなどの摺動部では、防錆性能だけではなく、摩耗、かじり、焼き付きへの対策が必要になる場合があります。こうした課題には、高硬度・高耐摩耗性のセラミック膜を形成するERINを検討できます。
〈クロムフリーや絶縁性が求められる部品〉
環境負荷物質への対応や絶縁性能が要求される場合もERINの活用例となります。半導体・チップ測定装置部品への絶縁特性付与や、ステンレスシートへの耐薬品性付与などの成膜実績があります。
【判断軸・導入メリット】
〈レイデントとERINは何を基準に選ぶか〉
レイデントとERINを比較するときは、「どちらの性能が高いか」ではなく、「部品に何を求めているか」を基準にすることが重要です。防錆を中心に極薄膜処理を検討する場合と、耐摩耗性やクロムフリー、絶縁性などを求める場合では適した選択肢が変わります。
ワークサイズも判断材料です。ERINの成膜可能サイズは高さ200mm、横幅800mm、奥行300mmである一方、レイデントには大物や長尺物に対応する処理ラインがあります。要求性能を満たしていてもサイズによって処理可否が変わるため、早い段階で確認することが求められます。
相談時には、次の情報を整理すると表面処理を比較しやすくなります。
・用途と部品の役割
・現在発生している課題
・材質
・部品寸法と形状
・必要な膜厚
・防錆性能の必要性
・耐摩耗性の必要性
・かじり、焼き付きの有無
・絶縁性の必要性
・使用温度
・真空環境などの使用条件
・クロムフリーなど環境面の要求
・数量
・マスキングなど追加対応の有無
特に重要なのは、「レイデントを使いたい」という処理方法から相談を始める場合でも、その背景にある課題を明確にすることです。防錆が目的なのか、摩耗対策まで必要なのか、環境対応が条件なのかを整理することで、レイデントとERINを比較しやすくなります。
【まとめ】
レイデントは、高い防錆力と1~2μmの極薄膜、常温もしくは低温処理による寸法への影響の少なさが特徴です。一方、ERIN(エリン)は完全クロムフリーの常温セラミックコーティングで、高硬度、耐摩耗性、絶縁性、耐熱性、かじり・焼き付き防止などの特徴があります。
レイデントを防錆や薄膜処理の候補として調べている場合でも、実際の課題が摩耗、かじり、絶縁、使用環境、クロムフリーなどに及ぶのであれば、ERINも選択肢の一つになります。反対に、防錆やワークサイズを重視する条件ではレイデントが候補になるため、必要な機能と部品条件を整理したうえで使い分けることが重要です。
豊実精工ではレイデント処理に対応するとともに、完全クロムフリー表面処理ERINを開発しています。「レイデントを検討しているが、ほかの表面処理も比較したい」という段階から、用途、材質、寸法、数量、使用環境、必要な機能などを整理し、処理方法について相談可能です。
【お問い合わせ先】
豊実精工株式会社
〒501-3303 岐阜県加茂郡富加町羽生2146-2
TEL: 0574-55-0180
FAX: 0574-55-0185
URL: https://www.hojitsu.co.jp/
| 会社名 |
豊実精工 株式会社 (ほうじつせいこう) |
エミダス会員番号 | 84566 |
|---|---|---|---|
| 国 | 日本 | 住所 |
日本 岐阜県 加茂郡 |
| 電話番号 | 0574-55-0180 | FAX番号 | 0574-55-0185 |
| 資本金 | 1,000 万円 | 年間売上高 | |
| 社員数 | 260人 | 担当者 | 山田 正也 |
| 産業分類 | 工作機械 / 産業用機械 | ||
| 主要取引先 |
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