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アルミの製缶板金加工では、軽量性と剛性を両立させるための設計・加工技術が求められます。特に板厚2.0mm程度の薄板では、溶接時に発生する熱による縮みや歪みが問題となることが多く、精度や外観品質の確保には高度な技術が必要です。今回は、特殊機械向けに製作したアルミ製の薄板製缶品を事例として、断続溶接による歪み対策と、強度を維持するための加工手法についてご紹介します。
【製品概要】
製品名:製缶板金加工品
素材:アルミ
板厚:2.0mm
業界:特殊機械
加工方法:曲げ、断続溶接
寸法:450×350×250mm
本製品は、特殊機械の内部で使用されるアルミ製のカバー部品です。軽量でありながら一定の強度と外観品質が求められました。使用環境上、内部構造の保護や振動吸収の役割を持ち、見た目の美しさも考慮された製品です。アルミ材特有の熱変形や割れを防止しつつ、精度とコストのバランスを保つために、弊社では断続溶接を採用しました。
【アルミ製缶品の加工上の課題】
アルミ材は鉄に比べて熱伝導率が高く、溶接時の熱が広がりやすいため、歪みが大きくなりやすいという特徴があります。さらに、薄板の場合は以下のような課題が発生しやすくなります。
・溶接中の熱収縮による変形
・曲げ部でのクラック(割れ)発生
・溶接後の表面酸化や変色
・全周溶接による過剰な熱入力と強度低下
これらの課題を解決するため、弊社では断続溶接(間欠溶接)を採用し、溶接熱をコントロールすることで歪みを抑えながら必要な強度を確保しました。
【断続溶接の採用とその効果】
断続溶接は、連続的にビードを引かずに一定の間隔で溶接を行う手法です。この方法を採用することで、以下のような効果が得られます。
・溶接時の熱入力を抑制し、板の変形を低減
・冷却時間を確保することで熱応力の分散が可能
・全周溶接と比較して作業効率の向上とコスト削減
本製品では、溶接強度を保持するために溶接長・ピッチを事前に設計段階で定義し、治具を用いて均等なビード間隔を確保しました。また、溶接後には仮組み検査を行い、面のうねりや寸法精度を確認しています。
【曲げ加工時の注意点と弊社の対応】
アルミ材は柔らかく加工性に優れていますが、その反面、曲げ箇所に割れが発生しやすい性質があります。特に板厚2.0mm前後では、曲げRの設定が不適切な場合に亀裂が入る可能性があります。弊社では、材料の延性や加工方向を考慮して金型を選定し、割れや伸びを防止しています。
曲げRを適正化することで、外観を損なわずに強度を維持できる形状に仕上げています。さらに、溶接熱による応力集中を避けるため、曲げ部近くの溶接は熱量を制御しながら行っています。
【表面処理と塗装前工程】
本製品の表面に施した円形模様は、塗装の密着性を高めるための意図的な表面処理です。バフ研磨によって微細な凹凸を設けることで、塗料の食いつきを良くし、塗膜剥離を防止しています。この仕上げは見た目の質感も向上させ、最終製品としての意匠性を高めています。
塗装前の仕上げ段階では、バリや溶接スパッタの除去を徹底し、表面の平滑性を確保しています。アルミ材は熱によって酸化皮膜を形成しやすいため、溶接後すぐに清掃と脱脂を行い、酸化膜の除去を実施しています。これにより、塗装の密着性が長期的に維持されます。
【精度管理と検査体制】
薄板製品では、溶接後の寸法変化を最小限に抑えるため、弊社では以下のような精度管理を行っています。
・溶接工程ごとの温度管理と冷却時間の設定
・定盤上での平面度測定による歪み検査
・仮組み段階での立体寸法確認
また、試作品段階で得たデータをもとに、量産時の溶接ピッチや工程順序を最適化しています。これにより、再現性の高い品質と納期短縮を両立しています。
【VE・VA提案による改善事例】
本製品の設計段階では、当初全周溶接による組立が想定されていましたが、弊社の提案により断続溶接へ変更することで、コストとリードタイムの両方を削減しました。
・溶接時間を約40%短縮
・溶接歪みによる修正作業を不要化
・塗装仕上がりの均一化による外観品質の向上
これらの結果、製品コストの低減と安定した品質維持を実現しています。アルミのような熱影響の大きい材料では、工程変更による改善効果が特に大きく現れます。
【まとめ】
今回ご紹介したアルミ製の薄板製缶品は、特殊機械内部で使用される軽量かつ高精度な部品です。弊社では、断続溶接による歪み対策、曲げ加工時の割れ防止、塗装密着性向上のための表面処理など、複数の工程を組み合わせて高品質な製品を提供しています。
アルミの板金・製缶加工においては、溶接条件や工程順序の最適化が品質に直結します。弊社では、試作から量産まで一貫対応し、VE・VA提案による改善も行っています。アルミ製の薄板部品やカバー類の加工でお困りの際は、ぜひご相談ください。
【お問い合わせ先】
株式会社岩本鉄工所
石川県小松市吉竹町タ33番地
TEL:0761-22-1486
FAX:0761-21-7701
URL:https://www.tk-iwa.jp/
溶接板金加工.com:https://yousetsubankinkakou.com/
| 会社名 |
株式会社 岩本鉄工所 (いわもとてっこうしょ) |
エミダス会員番号 | 79122 |
|---|---|---|---|
| 国 | 日本 | 住所 |
日本 石川県 小松市 |
| 電話番号 | 0761-22-1486 | FAX番号 | 0761-21-7701 |
| 資本金 | 1,000 万円 | 年間売上高 | 48,100 万円 |
| 社員数 | 35人 | 担当者 | 岩本 純一 |
| 産業分類 | 工作機械 / 産業用機械 / 輸送機器 | ||
| 主要取引先 |
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