自動車(量産)
建築部品
家具・インテリア
■ リカバリーの目的を誤解しない
塗装のリカバリーは、「見た目をきれいにする作業」ではありません。
本来の目的は、塗膜欠陥の原因を取り除き、健全な塗装構造を再構築することです。
したがって、上から塗り重ねるだけでは根本解決にはなりません。
表面の欠陥の裏には、前処理残留・水分・温度差・ガン設定など、物理的・化学的な原因が潜んでいます。
リカバリーの第一歩は「原因を可視化すること」です。
■ リカバリーが生地を痛めるメカニズム
リカバリーでは、まず既存塗膜を除去する必要があります。
しかしこの工程自体が、生地にとって最も負荷のかかる作業です。
1️⃣ 機械的除去(サンディング・ブラスト)
→ 微細な傷が残り、塗膜下腐食の起点となる可能性があります。
特に2回目以降は金属組織が露出しやすく、密着層の形成が難しくなります。
2️⃣ 化学的剥離
→ 剥離剤中のアルカリ成分や溶剤が母材表面を侵し、酸化膜を不均一にします。
これが次工程の化成皮膜形成を妨げることもあります。
3️⃣ 熱履歴の繰り返し
→ 焼付再加熱を繰り返すと、金属内部応力が変化し、
塗膜よりも生地側が“疲労”していくのです。
このため、リカバリーは最大2回までが実務上の限界と考えるのが妥当です。
それ以上繰り返すと、生地の保護ではなく“消耗”へと転じます。
■ 成功するリカバリーの条件
再塗装を成功させるためには、次の3点を徹底します。
① 原因の切り分け
塗膜不良の位置(表面/中間層/下地)を特定し、
「塗装条件」か「前処理条件」かを判断します。
同じ膨れや剥離が同箇所に出る場合、原因はほぼ下地側にあります。
② 生地の健全性評価
再塗装前に、生地表面を顕微鏡または拡大鏡で観察し、
酸化皮膜・変色・微細な腐食がある場合は、再利用を避けます。
“もう塗装しても密着しない生地”を見極めるのも職人技です。
③ 前処理の再構築
リカバリーでは、単純に脱脂するだけでなく、前処理の全工程を一からやり直すべきです。
再リン酸皮膜形成・再乾燥を含めたフルサイクルで、表面の健全性を回復させます。
■ リカバリーを“最小限で終わらせる”ために
・不良が発生した段階で、早期発見・限定補修を行う。
・塗装条件(ガン設定・距離・温湿度)を数値管理して再現性を高める。
・焼付や乾燥は、温度分布を均一化する。
・同一素材・同一ラインで再発が続く場合は、生地ロットの材質不均一も疑う。
■ まとめ
リカバリーとは、「塗膜の修正」ではなく「品質の再構築」。
表面を塗り直すのではなく、素材とプロセスをリセットする作業です。
生地の限界を超えてまで塗り重ねるのは、品質ではなく“延命”。
本当の修復とは、「もう一度、最初から正しくやり直す勇気」です。
■ 企業情報
永和工芸株式会社
〒547-0003 大阪府大阪市平野区喜連5丁目5−60
TEL:06-6709-2349
FAX:06-6708-1445
Web:https://kinzokutoso.com/
GoogleMAP:https://maps.app.goo.gl/2Q4aDKJSRYQTVUy66
| 会社名 |
永和工芸 株式会社 (えいわこうげい) |
エミダス会員番号 | 77303 |
|---|---|---|---|
| 国 | 日本 | 住所 |
日本 大阪府 大阪市平野区 |
| 電話番号 | 06-6709-2349 | FAX番号 | 06-6708-1445 |
| 資本金 | 1,000 万円 | 年間売上高 | 11,000 万円 |
| 社員数 | 15人 | 担当者 | 松本 悦典 |
| 産業分類 | 産業用機械 / 建築土木資材 / 輸送機器 | ||
| 主要取引先 |
|
||
コンテンツについて
サービスについて
NCネットワークについて
