ダイカスト素材別の塗装ポイント｜新人営業マンが押さえるべき３つの金属の違い

ダイカスト製品と一口にいっても、使われる金属によって性質が大きく違います。
塗装では「素材の特徴」を理解しておくと、提案やトラブル対応がスムーズになります。

ここでは、営業マンがまず覚えておきたい
「亜鉛」「アルミ」「マグネシウム」３つのダイカスト素材の違いをわかりやすく解説します。

① 亜鉛ダイカスト — 小物部品で多く使われる定番素材

亜鉛ダイカストは、精密で小さい部品によく使われます。
寸法精度が高く、表面もなめらかなので塗装がしやすい素材です。

💡 特徴

金型に流れやすく、細かい形が再現できる

重量があり、手に取ると“ずっしり”とした感じ

耐食性（サビにくさ）は中程度

💡 塗装のポイント

離型剤（リリース剤）が強く残るため脱脂を徹底

表面が滑らかすぎると塗料が密着しにくい
　→ 軽くブラストで“足”をつくると効果的

屋外用途では化成処理＋下塗り防錆塗装が必須

💬 営業トーク例
「この亜鉛ダイカスト、見た目はキレイでも油膜が残りやすいんですよ。
前処理を入れるだけで、剥離がほとんどなくなります。」

② アルミダイカスト — 軽くて丈夫、でも下地がカギ

アルミダイカストは軽くて強く、熱にも強いため、自動車や建築金物などに幅広く使われます。
ただし、アルミ特有の“酸化膜”が塗装を難しくしています。

💡 特徴

軽量で強度が高く、熱伝導率も高い

空気中で酸化しやすく、表面に薄い膜ができる

耐食性は良いが、下地によって差が出る

💡 塗装のポイント

酸化膜（白サビ）を除去してから塗装

化成処理（リン酸亜鉛処理など）で下地を安定化

焼付け塗装では過加熱に注意（変色・艶ムラの原因）

💬 営業トーク例
「アルミは軽くていいんですが、酸化膜を取らないと塗料が密着しません。
化成処理を入れると仕上がりがグッと安定します。」

③ マグネシウムダイカスト — 超軽量だけどサビやすい素材

マグネシウムダイカストは、金属の中で最も軽い素材のひとつです。
ノートパソコンの筐体（きょうたい）や車の軽量部品などに使われていますが、腐食（サビ）には注意が必要です。

💡 特徴

比重はアルミの約３分の２ほどの軽さ

強度は高いが、腐食しやすい（サビやすい）

加工時に発火の危険があるため、扱いに注意

💡 塗装のポイント

**化成処理（クロメート・ジルコニウム処理など）**が必須

密着性を高めるためにブラスト処理を丁寧に

高温に弱いため、焼付け温度は低めに設定

💬 営業トーク例
「マグネシウムは軽さが武器ですが、サビやすいので防食処理が命です。
化成処理をきちんと入れておけば、屋外でも長持ちします。」

まとめ：素材の違いを理解すれば営業力が変わる！
素材 特徴 注意点 塗装のキーポイント
亜鉛 小物・精密 油分・離型剤 脱脂と軽いブラスト
アルミ 軽くて強い 酸化膜・乾燥ムラ 化成処理で密着安定
マグネシウム 超軽量 腐食しやすい 防錆処理と低温焼付け

ダイカスト塗装は、見た目の仕上がりだけでなく、
素材ごとの特性を理解することが“品質を売る営業”の第一歩です。
「素材×前処理×塗装方法」をセットで説明できるようになれば、
お客様からの信頼は一気に高まります。

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