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真空焼入れとは?工程・メリット・特徴・適用材質・製品用途・導入ポイントまで - 熱処理のプロが解説
金属部品の熱処理において、品質と精度の両立が求められる昨今、真空焼入れは注目を集めています。この記事では、真空焼入れの基本的な仕組みから、活用のポイント、さらには当社独自の取り組みまで、詳しくご説明します。
■真空焼入れとは?
真空焼入れは、真空状態の炉内で金属を加熱し、その後急冷する熱処理方法です。一般的な大気中での焼入れと異なり、真空環境下で処理を行うことで、製品の品質と精度を高いレベルで実現できます。
■真空焼入れの具体的な工程
1. 真空引き
まず、真空ポンプを使用して炉内を減圧します。一般的な工業用真空炉では、低真空(105Pa~102Pa)または中真空(102Pa~10-1Pa)の環境を作り出します。
2. 加熱工程
真空状態で部品を加熱します。この時、輻射熱が主な熱伝達手段となるため、部品全体が均一に加熱されやすいという特徴があります。
3. 冷却工程
加熱後は、主に窒素ガスを用いて冷却を行います。最新の真空炉では、最大10気圧もの高圧ガスによる冷却が可能です。ただし、当社では経験上、3~6気圧程度の圧力で、ほとんどの場合十分な冷却効果が得られることを確認しています。
■真空焼入れならではのメリット
1. 表面品質の向上
何といっても最大の特徴は、処理後の表面品質の高さです。真空環境での加熱により、表面の酸化を抑制することが可能です。
2. 寸法精度の維持
真空中での均一加熱により、部品の歪みを最小限に抑えることができます。特に精密部品の熱処理において、この特徴は大きな強みとなります。
形状によっては歪取りの対応も行っております。
3. 環境負荷の低減
密閉性の高い真空炉は、不活性ガスの使用量を抑えることができ、省エネルギー効果も期待できます。
■当社における真空焼入れの特徴
光陽産業では、多様な小型炉をラインナップし、お客様のニーズに応じた柔軟な対応を心がけています。
「うちは少量生産なんじゃけど...」というご相談も大歓迎です。当社では多品種小ロット、さらには単発の部品加工にも対応しています。各炉には専属のスタッフを配置し、高精度と超短納期の両立を実現しています。
真空焼入れは毎日行っておりますので、特急の場合などありましたら是非ご連絡いただけると幸いです。
熱処理作業員が熱処理技能士の資格を持っているのも、当社の誇りです。「この材質でこの硬度を出したいんじゃけど」といった技術的なご相談から、「急いどんじゃ!」という納期のご相談まで、お気軽にご相談ください。
■真空焼入れの主な適用材質
・工具鋼(SKD11、DC53など)
・ステンレス鋼(SUS440C、SUS420J2など)
・合金工具鋼(SKS3、SKD61など)
・高速度工具鋼
■品質管理へのこだわり
真空焼入れの品質は、設備の性能だけでなく、オペレーターの技術力に大きく依存します。当社では、以下の3つの点に特にこだわっています:
1. 徹底した温度管理
各工程での温度履歴を詳細に記録・管理し、再現性の高い熱処理を実現しています。
2. 品質保証体制
処理後の硬度測定はもちろん、必要に応じて金属組織観察も実施し、お客様の要求品質を確実に満たすよう努めています。
3. トレーサビリティの確保
工程ごとの記録を確実に残し、万が一の際にも原因究明と対策が可能な体制を整えています。
■こんなお悩みはありませんか?
・「寸法精度を極力維持したい」
・「後工程の手間を減らしたい」
・「環境に配慮した熱処理を行いたい」
このような課題をお持ちの方は、ぜひ真空焼入れの採用をご検討ください。
■納期について
標準的な納期は、材質や数量によって異なりますが、通常3~5日程度です。特急対応が必要な場合は、ご相談ください。可能な限り柔軟に対応させていただきます。
「明日までに必要なんじゃ!」という緊急のご要望にも、できる限り対応させていただきます。まずはお電話でご相談ください。
■お見積りについて
お見積りは、図面または現物をお送りいただければ、通常1営業日以内にご提出いたします。材質、数量、納期などの情報とともに、お気軽にお問い合わせください。
真空焼入れを行う際の注意点
1.材質の選定
処理する材質によって、最適な熱処理条件が異なります。当社の技術スタッフが、処理内容に応じた材質選定のアドバイスもさせていただきます。
2. 形状について
複雑な形状の部品は歪みが複雑に出る可能性がございます。
事前に図面で形状の確認、打ち合わせを行った上で処理を進めさせていただきます。
■おわりに
真空焼入れは、高品質な熱処理を実現する有効な手段です。しかし、その効果を最大限に引き出すには、適切な条件設定と確かな技術力が必要です。
当社では、長年の経験と技術力を活かし、お客様の課題解決をサポートいたします。熱処理に関するお悩みやご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
▽処理可能サイズ▽
600W × 920L × 600H(真空熱処理炉)
▽対応重量▽
~600Kgまで
少量、一個からでも短納期でお受け致します。
▽適用材質・素材実績▽
(鋼種:材料記号)
高合金工具鋼:SKD11, SKD12, SKD61, SKD62, SKS2, SKS3, SKS4
ステンレス鋼(マルテンサイト系):SUS403, SUS410, SUS416, SUS420F, SUS420J1, SUS420J2, SUS431, SUS440A, SUS440B, SUS440C, SUS440F
ステンレス鋼(析出硬化系):SUS630, SUS631, SUS632, SUS634, SUS635
高速度工具鋼:SKH2, SKH3, SKH4, SKH9, SKH10, SKH51, SKH53, SKH54, SKH55, SKH57, SKH59
冷間ダイス鋼:SKD1, SKD11, SKD12
熱間ダイス鋼:SKD6, SKD61, SKD62
超硬合金
粉末ハイス:HAP10, HAP20, HAP30, HAP40, HAP50, HAP72
※実際の熱処理においては、材料の状態や要求される特性、サイズ・形状などの条件によって適用可否が変わる場合がありますので、具体的な案件については個別回答させていただきます。
▽納期目安▽
中3~4営業日
▽事例紹介▽
事例ページURL準備中
【会社概要】
社名:光陽産業株式会社
住所:〒714-0005 岡山県笠岡市新賀777
TEL:0865-65-1555
FAX:0865-65-1560
コーポレートサイトURL:http://www.koyosangyo.com/
技術相談・見積依頼フォームURL:https://ja.nc-net.or.jp/company/73980/inquiry/
真空焼入れとは?工程・メリット・特徴・適用材質・製品用途・導入ポイントまで - 熱処理のプロとして解説させていただきました。最後まで読んでいただきありがとうございます。
熱処理のことなら光陽産業にお任せください。豊富な経験と確かな技術で、お客様のニーズにお応えいたします。
会社名 |
光陽産業株式会社 (こうようさんぎょう) |
エミダス会員番号 | 73980 |
---|---|---|---|
国 | 日本 | 住所 |
日本 岡山県 笠岡市 |
電話番号 | 0865-65-1555 | FAX番号 | 0865-65-1560 |
資本金 | 4,950 万円 | 年間売上高 | 250,000 万円 |
社員数 | 99人 | 担当者 | 来山 尊 |
産業分類 | 産業用機械 / 建築土木資材 / 輸送機器 |
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