『外径に細く深い溝がいっぱい！幅2㎜長さ10㎜の溝バイトを自社製作・加工しました！〜深溝加工事例〜』

アルミのA5056の材料からの切削加工
全長は30㎜の一般公差、外径はΦ90の一般公差、内径はΦ45±0.005
加工は普通旋盤の滝澤製 【TAC-510 】 で行いました。

写真では分かりませんが、内径にはΦ45±0.005となかなかの難しい寸法公差が求められています。
温度管理、切削条件などしっかりと調整しながら寸法に入れる事が出来ました。

今回注目していただきたいのは、外径に何ヶ所もある細くて深い溝！
見た目はシンプルですが、加工するにあたりいくつか問題点があります。

≪問題点　その1≫
これだけ細く長い溝バイトが市販品ではなかなか存在しないということ
弊社で扱っている溝チップでも2㎜幅で長さが3㎜程度と全然足りません。
そんな時は自分で作ってしまおうってことになりました。
ハイス鋼を削って細くて長い溝バイトを製作しました。
アルミ材だし構成刃先が心配だったので、すくい角もしっかりと付けて
切り粉が溜まらないように工夫もしました。
無ければ作れ！ですᕦ(ò_óˇ)ᕤ

※構成刃先とは　by 宮原調べ＿φ(￣ー￣ )
アルミや軟鋼の材質を切削加工する際、切削液や油分の無い状態で加工すると
被削材の一部が熱などといった特殊な状況が重なり、刃先に付着してしまう現象。
付着してしまうと刃先の状態は悪くなるので寸法精度に影響が出てしまう。

≪問題点　その2≫
溝幅が細くて深い、それに加えて壁も薄くペラペラということ
1ヶ所の溝を加工するのであればあまり影響はないのですが、
この製品は2㎜幅で交互に溝と壁があります。
溝数も7ヶ所と多く、無理に加工していくと壁が倒れてしまう恐れがありました。
対策として時間はかかりますが、何層にも分けて加工する事にしました。
そうすれば倒れも最小限に抑えられ、寸法も安定して出す事が出来ます。

複雑な形状の加工が難しいのは当たり前ですが
シンプルな形状でも図面寸法を見ると合う刃物が無いなんてことは日常茶飯事。
そんな時こそ経験やノウハウで問題点を洗い出し
解決策を見出して参ります(￣∇￣)v

【加工設備】
・普通旋盤　滝澤　TAC-510

【業界】工作機械
【製品名】バランスリング
【素材】アルミ（A5056）
【サイズ】Φ90×30
【精度】±0.005〜一般公差
【ロット】1個
【加工日数】2日

＜＜＜グローリーの最大加工サイズ＞＞＞
マシニング（門型5面加工機） 6000×1800×1000
ターニング（縦旋盤） Φ750×300（内径深さ200）
NC旋盤・汎用旋盤 Φ20～Φ270　長さ～800（径による）
平面研削盤 2000×800×350
円筒研削盤（内径） Φ150×130
円筒研削盤（外径） Φ20～Φ200　長さ～800（径による）

グローリーは「大物」・「鋳物」・「複雑形状加工」のプロフェッショナル！！
FC・FCDなどの鉄鋳物からACなどのアルミ鋳物まで幅広く対応可能。
最大6000㎜×1800㎜の大物加工を得意としています。
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担当：宮原