遠心分離機に使用されるプーリは、高速回転に耐えうる寸法精度とバランス性能が求められます。竹中機械製作所では、プーリをはじめとする遠心分離機関連部品の加工において、多様な素材と形状に対応した高精度な製作実績を有しています。

【遠心分離機用プーリの特性】
プーリはモーターからの駆動力をベルト経由で回転機構に伝える要素であり、遠心分離機の心臓部を支える重要部品です。高速で回転するため、真円度や同心度、表面粗さの厳格な管理が不可欠です。ベルトのスリップを防止するための溝形状や、重量バランスの均等性にも注意が必要です。

【加工対応内容】
竹中機械製作所では、以下のような加工工程に対応しています。
・NC旋盤による外径・内径加工（φ600クラスまで対応）
・溝加工やVベルト用断面の切削加工
・フランジ形状やシャフト挿入部の高精度仕上げ
・キー溝の追加加工およびセンター穴加工
・動的バランス測定と修正

これらの加工は、DMGMORIの高剛性CNC旋盤やマシニングセンタ、さらには複合加工機によって実施され、高精度を要求される遠心分離機の性能を支えています。

【対応素材とロット】
対応素材は鉄系（S45C、SCM、SS400）をはじめ、アルミニウム、ステンレス（SUS304、SUS316）などにも対応しています。また、小ロットから中ロット（1個～1000個）まで柔軟に対応可能であり、試作品から量産品まで一貫した体制で製作できます。

【バランス測定と検査体制】
高速回転を伴うプーリに対しては、以下のような検査体制を構築しています。
・真円度測定器による外径・内径の同心度検査
・三次元測定器による寸法精度の確認
・表面粗さ測定器によるベルト接触面の仕上がり確認
・動的バランスマシンによる不均衡検出と修正対応

【対応可能な加工精度】
・同心度・平行度・直角度：
　公差 0.01mm ～ 0.05mm に対応（※実績値として、外径公差 0.001mm の加工もあり）
・真円度管理：
　専用の真円度測定器を用い、0.003mm 以下の真円度管理が可能
・内径キー溝位置精度：
　キー溝の幅寸法公差 ±0.01mm 程度（※同心度との複合精度で高い嵌合性を実現）
表面粗さ（Ra）：
　表面粗さ測定器（東京精密 サーフコム480A）による管理で、Ra0.2以下 の鏡面仕上げにも対応
・動的バランス修正後の再評価精度：
　偏心量や重量差を最小限に抑えることで、高速回転時の振れ量を抑制

これにより、納品されるプーリはすべて所定の性能要件を満たしており、遠心分離機の長寿命化と安定稼働に寄与しています。

【加工実績例】
・φ420×60mm S45C製 プーリ溝加工＋キー溝＋バランス修正
・SUS304製 φ300×50mm 平面フランジ付きプーリ 精密研磨仕上げ
・SCM440製 φ250×t40 遠心分離機軸受部プーリ

【導入メリット】
・高速回転機構に必要な寸法精度と真円度を確保
・プーリの溝形状や重量バランスを含めた最適設計に対応
・中ロットでも安定した品質と短納期
・測定・検査を含めたトレーサブルな品質保証体制

遠心分離機における駆動部品の信頼性は、装置全体の性能に直結します。竹中機械製作所では、プーリを中心とした回転部品の加工ノウハウを生かし、産業用機器の長寿命・高効率化をサポートしています。

【お問い合わせ先】
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