今回も、簡単にではありますが材料のご紹介をしたいと思います。
今週紹介するのはポリカーボネート 通称PCです。

これまでにご紹介したABSとPPは、プラスチックの中でも汎用プラスチックと呼ばれるものでしたが、
今回ご紹介するPCは、「汎用エンジニアリングプラスチック」に分類されます。

主に工業用部品として使われる樹脂をエンジニアリングプラスチックと言い、中でも一定の機械的特性と生産量・需要量がある樹脂を、汎用エンジニアリングプラスチックと呼びます。
また、それ以上の性能を持つものは、スーパーエンジニアリングプラスチックに分類されます。

汎用エンプラの中でも、5大汎用エンプラの1つとされるPC。
どのような特性があるでしょうか。

PCの長所として次のような特徴が挙げられます。
・透明性が高く可視光線透過率は80～90%
・一般的なガラスをも超える耐衝撃性
・分子の鎖の中にエステル結合を持っているため、耐熱性や剛性が良好
・難燃性や電気的特性、寸法安定性も優れる
・衛生性も良いので有害物質が溶け出す恐れなし
・他の樹脂や添加物を混ぜやすい

その他にも、短所として次のような特徴があります。
・強度を超えた力がかかると白化し透明度が失われてしまう
・非結晶性樹脂のため耐薬品性は低い
・エステル結合を持つため高温度、高湿度の条件が揃うと加水分解してしまう
・他の特性に比べ表面硬度は高くない
・疲れ強さはあまり強くない

色々な特徴があるPC樹脂ですが、中でも一番の強みは耐衝撃性だと思います。
ただ硬いだけでなく粘り気もあるので、一般的なガラスの250倍以上の耐衝撃性があるといわれています。
その衝撃への強さと透明性を活かし、防護盾や防弾ガラスにも使われているそうです。

他にも、衛生性や耐熱性を活かし食器や哺乳瓶に、
弊社でも、強度が必要なケース部品や、
高い透過率を活かした光学用途の部品に使用しております。


以上、PC樹脂のご紹介でした。
高い透明度で部品をつくりたいとき、ガラス部品を樹脂で代替したいとき、値段を上げてでも強度を確保したいとき等、ポリカーボネートが活躍できる場面が必ずあると思います。
そんな時、PC樹脂の使用をご検討されるようでしたら、是非お気軽にご相談ください。


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