今回も、簡単にではありますが材料のご紹介をしたいと思います。
今週紹介するのは4大汎用樹脂の1つ、ポリプロピレン 通称PPです。

PPは流通量のうち約60%が射出成形に使われており、そのおよそ半分を自動車分野、家電分野が占めています。
その他にも、おもちゃ、スポーツ用品、建築・建設資材等、幅広い分野で使われています。


PPの長所として次のような特徴があります。
・一般グレードの汎用プラスチックの中で耐熱性が一番高い
・同じく比重が一番小さく水にも浮かぶ
・汎用プラスチックの中では比較的強度が高くキズもつきにくい
・結晶性プラスチックのため、耐薬品性が高く吸湿性が低い
・繰り返し曲げに強くヒンジとしても使用可能
・表面に光沢がある
・成形性が良い

これら以外にも、短所として次のような特徴が挙げられます。
・他の樹脂と比べ耐候性、耐光性が低い
・銅や銅合金と接触している状態で熱がかかるとPPの熱分解が促進されてしまう


このように、PPには様々な特徴がありますが、中でも特筆すべき点は繰り返し曲げに強い点ではないでしょうか。
PPは比較的粘り気が強いので、何度曲げても割れたり切れたりせず、まさにヒンジにはもってこいの材料だと思います。
弊社でも、ケース2つをヒンジで繋ぎ合わせたような、上下一体のケース部品をPPで成形しております。

また、先述の通りキズがつきにくく表面光沢があることから、外観部品にも多く使われます。
その場合、使用状況によっては耐候性を確保するべく、添加物や黒色の顔料を混ぜることが多いです。


以上、PP樹脂のご紹介でした。
部品の軽量化を図りたい時、そこそこのお値段である程度の強度を確保したい時など、PPがご活用頂ける場面がきっとあるかと思います。
PP樹脂の使用をご検討されることがありましたら、是非お気軽にご相談ください。


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