これまで、弊社の成形実績をご紹介してきましたが、今回から数回に分けて簡単にではありますが、材料のご紹介をしたいと思います。
樹脂製品の材料を決める際など、どこかで皆様のお役に立てば幸いです。


今週紹介するのは、我々にとって最も身近な樹脂の一つ、ABS樹脂です。

ABS樹脂は、アクリロニトリル、ブタジエン、スチレンを原料としており、名前もその頭文字が由来となっております。

流通量の多さも相まって比較的安価なこともあり、家電や電気・電子製品、自動車関連やゲーム機・玩具等々...非常に幅広い分野で使われています。

また、ABSの長所として以下のような特徴が挙げられます。
・剛性や硬度、衝撃強度や曲げ応力等の機械的特性のバランスが良い
・射出成形を含めた、成形加工がしやすい
・他の樹脂と比べても、材料への着色がしやすい
・成形品への印刷、塗装、メッキ、ホットスタッフがしやすい
・電気に対して絶縁性が良い

これら以外にも、短所として次のような特徴があります。
・他の樹脂と比べ耐候性、耐光性が低い
・薬品に弱い(耐薬品性が低い)

しかし、ここでABSの一番の強みが光ります！
それは、種類の豊富さです。

一口に同じ樹脂と言っても、多くのグレードがあり、それぞれ機械的特性や特長が異なります。
ABSは、製造しているメーカーさんが多く、そのグレードも成形材料の中でトップクラスに多いです。

A・B・Sの原料の配合を変え、用途に応じて必要な機械的特性を向上させたグレードや、ACS、AES等ブタジエンの代わりに別の原料を混ぜたグレード、他の樹脂と混ぜ2種の機械的特性を生かしたグレード、
更には添加物を混ぜることにより、耐候性や耐光性、耐薬品性等を向上させ、短所を補うグレードもあります。

このように、一般グレードから特殊グレードまで含めると、様々な場面でABS樹脂が活躍できることと思います。

弊社でも、一般グレードを用いた装置のケースから、耐熱グレードを使った電気周りの製品等々幅広く使用しておりますので、ABS樹脂に関してお困りの方は、是非お気軽にご相談ください。


以上、ABS樹脂の簡単なご紹介でした。
今後も、成形材料等に関するのお話もしていく予定ですので、引き続きお付き合い頂ければと思います。


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