製造現場で最も避けたいトラブルのひとつが「異物混入」です。半導体、医薬品、精密機器、宇宙分野といった業界では、わずかな毛髪やホコリが原因で重大な不良や安全性の問題を引き起こす可能性があります。では、なぜ異物は混入してしまうのでしょうか。本記事では、異物混入の原因を整理したうえで、防止のための資材管理のポイントを解説し、テクノクリーンでの対応事例をご紹介します。

【異物混入が起きる原因】
異物は、思いがけない経路から製品に入り込みます。代表的な要因は次の通りです。
・作業者由来：毛髪、皮膚片、衣類の繊維
・環境由来：空気中の塵や外部からの持ち込み
・資材由来：繰り返し使う作業服や手袋に残る汚れ
・輸送・保管由来：包装が不十分な場合に発生する混入
これらは、どれか一つの対策で解決できるものではなく、複数の仕組みを組み合わせることが重要です。

【異物が与える影響】
異物混入の影響は業界によって異なりますが、その深刻度はいずれも高いものです。
・半導体：数ミクロンの毛髪片でも回路の不良や歩留まり低下を引き起こす
・医薬品：毛髪やホコリの混入がGMP違反となり、出荷停止やリコールに直結する
・精密機器：異物が光学機器や計測機器の精度を損なう
・宇宙分野：極限環境で異物が誤作動や寿命低下を招く可能性がある
このように、異物混入は「小さな問題に見えて大きな損失につながる」リスクなのです。

【一般的な防止方法】
多くの現場では異物混入を防ぐために以下のような対策が取られています。
・作業服や手袋を専用の方法で洗浄する
・クリーンルームの空調や清掃を徹底する
・作業者に毛髪管理や着替えルールを徹底させる
・最終工程で異物検査を行う
これらを適切に組み合わせてこそ、異物混入リスクを最小化できます。

【資材管理のポイント】
特に重要なのは「資材そのものの管理」です。作業服やグローブ、シューズ、クロス、キャリアケースといった資材は、現場に繰り返し持ち込まれるため、異物の温床になりがちです。これらを確実に洗浄し、再汚染を防ぎ、最終的に検査・包装で保証する仕組みが必要です。

【超純水による洗浄】
最大18.2MΩ級の超純水を用いた洗浄は、資材から粒子や有機物を徹底的に取り除きます。通常の水では除去できない微細な異物（0.5µm）汚れまで取り除くため、異物混入のリスクを大幅に減らせます。

【乾燥と再汚染防止】
乾燥工程では外気中の粒子が付着する恐れがあります。当社ではHEPAフィルタを搭載した乾燥機を使用し、清浄な空気で乾燥させることで再汚染を防いでいます。低温・大風量で効率的に乾燥できるため、資材への負担も軽減されます。

【毛髪・異物検査】
どれだけ洗浄・乾燥を徹底しても、異物が残る可能性はゼロにはできません。そのため、毛髪や異物を検査する工程が不可欠です。出荷工程までに３回の検査を行い基準を満たした資材だけを出荷することで、現場での安心と安全性につながります。

【真空包装で清浄度を保持】
検査を通過した資材は真空包装されます。真空包装は輸送や保管中に異物が付着するのを防ぎ、開封する瞬間まで清浄な状態を保証します。特に半導体や医薬品分野では、この工程が品質保証に直結します。

【バーコード管理による履歴追跡】
資材管理では履歴の透明性も重要です。テクノクリーンではバーコードを用いて洗浄・乾燥・検査・包装までの履歴を記録しています。これにより監査や顧客からの問い合わせに迅速対応でき、ISO9001に準拠した品質保証体制を実現しています。

【テクノクリーンでの対応】
テクノクリーンは異物混入防止のために、以下の仕組みを組み合わせています。
・超純水洗浄で粒子や有機物を徹底除去
・バリア型洗濯機による一方向管理で再汚染を防止
・クラス100クリーンルーム内でのHEPAフィルタ乾燥
・毛髪・異物検査で最終品質を保証
・真空包装で輸送・保管時の異物混入を防止
・バーコード管理による履歴の見える化
これにより、異物混入リスクを最小限に抑えた資材管理を実現しています。

【まとめ】
なぜ異物混入が起きるのか？ その原因は作業者、環境、資材、輸送など多岐にわたります。防止には洗浄、乾燥、検査、包装、履歴管理といった複数の仕組みを組み合わせることが不可欠です。テクノクリーンはこれらの工程を徹底することで、半導体、医薬品、精密機器、宇宙分野の厳しい基準に応え、品質トラブルを未然に防ぐ資材管理を実現しています。

◆お問い合わせ先
テクノクリーン株式会社
〒407-0001 山梨県韮崎市藤井町駒井1438-1
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