「日本の製造業は、このままで大丈夫なのか」。この強い危機感が、私の起業の原点です。
大学時代に出会った金型メーカーの社長から、日本のモノづくりの誇りと奥深さを学び、私は製造業の道を志しました。新日本製鐵(現・日本製鉄)に入社して以来、日本の製造業を支える数多の中小企業の現場力や技術力に触れ、その価値を確信する日々を過ごしてきました。しかしながら、近年、そうした中小製造業の現場では、老朽化する設備と、それに対する予防保全の不備が大きな課題となっています。設備が故障すれば生産は止まり、わずかな部品不足で数億円規模の損失を生む事例もあります。リーマンショックやコロナ禍といった経済ショックを経て、先の見えない時代のなかで設備更新の判断はますます難しくなっています。さらに、設備メーカーや修理業者も高齢化や人手不足が進み、復旧体制の限界が現れつつあります。「このままでは、設備が壊れても復旧できないまま事業を継続できず、企業の存続さえ危うくなる」。そんな状況に強い危機感を覚え、私は自ら行動することを決意しました。
製造業は、業界や地域、系列を越えて企業同士が支え合える仕組みがあれば、もっと強くなれる。そんな思いを原点に、本業と並行しながら多様な仲間たちと議論を重ね、検討開始から3年間で200社以上、300人超の現場関係者にヒアリングを行いました。そこで明らかになったのは、設備停止のリスクだけでなく、「誰に相談すればいいか分からない」「代替部品の情報がない」「在庫管理や棚卸が煩雑で手が回らない」といった、現場に根付いた“見えにくい課題”の数々でした。これらの声に応えるべく、私は製造業の企業間をつなぎ、設備保全と調達を支援するプラットフォーム構築に乗り出しました。
かつて日本は、技術と品質で世界を牽引しました。これからは、持続可能性と多様性への対応が求められる時代です。KAMAMESHIは、設備保全という“守り”から始めていますが、将来的には「世界中のアイデアを日本の製造現場でカタチにする」という“攻め”の仕組みにも取り組んでいきたいと考えています。世界でナショナリズムが台頭する中でも、日本の中小企業が中核部品や技術で存在感を発揮し、グローバルニッチを握ることが重要です。KAMAMESHIでは、そうした視点でも役立つ仕組みを構想していきます。
私たちの会社はまだ、小さな一歩を踏み出したばかりです。しかし「日本の製造業を未来につなぎたい」と願うのは、私たちだけではありません。同じ想いを持つ人や企業とつながり、「同じ釜の飯を食う仲間」の輪を広げることが、次の時代を切り拓く原動力となると信じています。
小林 俊 (こばやし しゅん)
株式会社KAMAMESHI 代表取締役社長
最終更新日:2025-12-26
製造業を未来に繋ぐ
【課題】
日本の製造業は、
どうしたら世界で生き残れるか。
【ANSWER】
日本の中小企業を
横串でつなぐ
日本の中小企業には高い技術力があります。脈々と継承された多様な加工ノウハウは、日本の製造業の大切な資産です。
一方で、中小企業は解決が難しい課題を抱えています。
中でも深刻なのが、設備の老朽化。
大規模な設備投資を続けることは難しく、設備を維持するための部品の調達や、設備業者の減少、社内人材の育成は喫緊の課題です。交換部品が廃番になっているために調達できず、事業を諦める事態も発生しています。
ひとつひとつの会社が個別に勝負するのではなく、お互いに支え合って、まとまっていくことが必要です。
KAMAMESHIでは、サプライチェーンで縦につながる業界を横につなぎ、リソースをシェアし、機能を補完し合う仕組みを構築しています。
縦と横のつながりによって、ともに助け合い「同じ釜の飯を食う」仲間として、製造業を未来へつなげていきます。
最終更新日:2025-12-26
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