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【ブラスト加工の全て:高度な表面処理技術と最適な発注先の選び方】
序論:ブラスト加工とは?
ブラスト加工は、現代産業における基幹的な表面処理技術の一つです。
これは圧縮空気や高速回転するインペラ(羽根車)の運動エネルギーを活用し、微細な研磨材(メディア)を対象物の表面に高速で衝突させることで、多様な表面改質を実現する工法です。
このプロセスにより、金属部品の洗浄、粗面化、バリ取り、表面硬化(ショットピーニング)、あるいは装飾的な意匠付与まで幅広い目的を達成することが可能です。
ブラスト加工は単に表面を清浄化するだけでなく、素材の機能性や耐久性を飛躍的に向上させる潜在能力を秘めています。
例えば、塗装やコーティングの密着性を高めるための「アンカーパターン」形成、製品の疲労寿命を延ばすための残留応力改善、さらには特定の外観テクスチャを付与する「梨地加工」などその応用範囲は広範です。
原田鉄工は、長年にわたりブラスト加工の専門知識と実績を積み重ねてきました。
ブラスト加工に関する詳細は、弊社公式ウェブサイトをご覧ください。
HP:https://harada-tekkou.co.jp/
『ブラスト加工のメカニズムと効果』
ブラスト加工は研磨材の種類、投射速度、角度、距離といったパラメータを精密に制御することで、対象物の表面に物理的な変化をもたらします。
化学処理とは異なり、対象物の材質や組成に化学的な変化を与えることなく加工が可能です。
[主な加工効果]
1. 削る・粗面化
梨地加工・意匠性向上: 特定の光沢度や触感を付与し、デザイン性を高めます。
下地処理・接着性向上: 塗料や接着剤の密着面積を増やし、強力なアンカー効果により剥離耐性を向上させます。
放熱性・保油性向上: 微細な凹凸により表面積が増加し、放熱効率や潤滑油の保持能力を改善します。
防汚効果・滑り止め・艶消し: 特定の機能性や視覚効果を付与します。
2. 除去・洗浄
塗装剥離・樹脂除去: 旧塗膜や不要な樹脂層を効率的に除去します。
錆落とし・酸化スケール除去: 強固に付着した錆やミルスケールを除去し、清浄な金属表面を露出させます。
バリ取り・洗浄・クリーニング: 加工時に発生する微細な突起(バリ)を除去し、製品の精度と安全性を確保します。
3. 改善・強化
ショットピーニング: 研磨材の衝突エネルギーにより表面層に圧縮残留応力を導入し、金属材料の疲労強度、耐摩耗性、耐応力腐食割れ性を劇的に向上させます。
使用される研磨材は、鋼、ステンレス、アルミといった金属系から、ガラス、砂、セラミック、樹脂、さらには植物の種子まで多岐にわたり、加工目的に応じて最適なメディアが選定されます。
ブラスト研磨材の具体的な種類については、こちらをご参照ください。
【ブラスト研磨材(メディア)の種類】
https://ja.nc-net.or.jp/company/98405/product/detail/240798/
『ブラスト加工の4大工法:特性と応用』
1. エアーブラスト(乾式ブラスト)
コンプレッサによって生成された圧縮空気(エア)を動力源とし、ノズルから研磨材を高速噴射する方式です。
手動操作による柔軟な加工と、ロボットによる自動化された高精度加工の両方が可能です。
使用する研磨材によって「サンドブラスト(砂)」「グリットブラスト(多角形状の鋼)」「ドライアイスブラスト(ドライアイス)」など、多種多様な呼称が存在します。
エア圧力と研磨材の選定により、研削力と仕上がりの微調整が可能です。
下地処理、錆・汚れ除去、塗装剥離、梨地加工など、その応用範囲は極めて広範です。
[メリット]
・複雑形状への対応: 特殊なノズルを用いることで、配管内部や入り組んだ内面など、複雑な形状の部品も効率的に加工できます。
・汎用性の高さ: 最も多様な素材と形状に対応可能な汎用性の高い工法です。
[デメリット]
・粉塵・飛散:圧縮空気と研磨材が広範囲に飛散するため、適切な集塵・回収設備が必要です。
・製品の変形・歪み: 強度の低い製品では、強力な噴射力により変形や歪みが発生するリスクがあります。
2. ショットブラスト(機械式ブラスト)
モーターで駆動するインペラ(羽根車)の遠心力を利用して、研磨材を広範囲に投射する方式です。
主に「ショット」と呼ばれる球状の金属製研磨材が使用されます。
製品をセットするだけで自動的に加工が進むため、大面積の処理や多ロット生産に適しています。
バリ取り、表面研磨、梨地加工、そして特に疲労強度向上のためのショットピーニング処理に広く用いられます。
[メリット]
・低コスト・自動化: 構造がシンプルで自動化が容易なため、設備コストと運用コストを抑えることが可能です。
・広範囲・効率的: 大面積の加工を効率的に行え、生産性が高いです。
[デメリット]
・形状制限: 一定方向からの投射となるため、複雑な形状の部品や入り組んだ部分は加工が難しい場合があります。
・研磨材の種類制限: 使用可能な研磨材の種類が限られており、対応できる加工内容に制約があります。
3. ウェットブラスト(湿式ブラスト)
エアーブラストと同様に圧縮空気を動力源としますが、水と研磨材を混合したスラリー状のものを噴射する方式です。
手動および自動の両方に対応します。
水を使用することで、通常では制御が難しい微細な研磨材も均一に投射可能となり、精密な加工を実現します。
微細な粗面化、精密研磨、表面洗浄、バリ取り、梨地加工などに適しています。
[メリット]
・精密加工: 薄物、電子部品、プラスチックなど、デリケートな素材への損傷を最小限に抑えつつ精密な加工が可能です。
・粉塵抑制: 水と研磨材を混合しているため、加工時の粉塵発生がほとんどありません。
[デメリット]
・素材の制約: 水に弱い素材や錆びやすい素材、あるいは水に触れると性質が変化する素材には適用できません。
・研削力の限界: 乾式ブラストと比較して研削力が低いため、対応できる加工内容に限りがあります。
4. バキュームブラスト(吸引式ブラスト)
圧縮空気を利用し、ノズル内部で研磨材の噴射と回収を同時に行う方式です。
作業員がノズルを加工面に密着させながらブラストを行います。研磨材の飛散や粉塵の発生をノズル内で完結させるため、周囲への影響を最小限に抑えられます。
屋外現場での下地処理、錆・汚れ除去、塗装剥離などに特に有効です。
[メリット]
・現場作業の簡素化: 研磨材の飛散がほとんどないため、屋外作業における養生作業が不要となり、作業環境を選びません。
・複数作業: 研磨材の飛散がないため、同一空間で複数の作業員が同時に作業可能です。
[デメリット]
・加工効率: 研削力が比較的低いため、小面積でも加工に時間と労力を要します。
・加工面への制約: ノズルを加工面に密着させる必要があるため、基本的に平滑な面の処理に限定されます。
『まとめ:最適なブラスト加工の選択と発注の重要性』
ブラスト加工は、その加工方法、研磨材の種類、動力源によって多種多様な特性を持ち、それぞれが独自のメリットとデメリットを有しています。
発注先の選定においては、加工目的、対象物の形状や強度、素材、さらには周辺環境やコスト、納期など、多角的な要素を総合的に考慮し、最適な工法を選択することが極めて重要です。
原田鉄工では、大型エアーブラスト設備を2基保有し、グリットやサンドを常用研磨材として使用しております。
加工対象物の素材、加工目的によって最適な研削材を提案・使用する事も可能です。
長年の経験と実績に基づき、様々な検査基準や国内外の規格に準拠したブラスト処理と塗装を一貫して提供しております。
当社の強みは、ブラストと塗装の一体型工場である点です。
ブラスト処理後、直ちに塗装工程へ移行することで、製品の品質劣化リスクを最小限に抑え、最適な仕上がりを実現します。
また、塗膜の寿命は塗装前の素地調整の品質に大きく左右されます。
当社では厳格な検査体制と管理のもと、均一でムラのない塗膜形成を徹底し、高い品質を保証します。
適切な素地調整は、初期コストこそ必要とするものの、長期的な視点で見れば塗膜の耐久性を向上させ、メンテナンス頻度を削減することで、トータルコスト(LCC:ライフサイクルコスト)の低減に大きく貢献します。
【LCC(ライフサイクルコスト)を低減させる塗装】
https://www.nc-net.or.jp/company/98405/product/detail/192117/
ブラスト加工や塗装に関するご相談、お見積もり依頼は、ぜひ原田鉄工株式会社 広島までお気軽にお問い合わせください。
原田鉄工株式会社 広島
TEL:082-232-2445
FAX:082-293-0286
担当:垰(タオ)
携帯:090-3742-9768
メール:bousei@harada-tekkou.co.jp
ブラスト設備概要
グリットブラスト・サンドブラスト どちらも自社製
幅7m×奥行10m×高さ3.5m
【素地調整・下地処理の作業方法と規格】
https://harada-tekkou.co.jp/pages/57/
| 会社名 |
原田鉄工 株式会社 (はらだてっこう) |
エミダス会員番号 | 98405 |
|---|---|---|---|
| 国 | 日本 | 住所 |
日本 広島県 広島市西区 |
| 電話番号 | ログインをすると表示されます | FAX番号 | 082-293-0286 |
| 資本金 | 4,800 万円 | 年間売上高 | |
| 社員数 | 50人 | 担当者 | 垰 |
| 産業分類 | 重電関係 / 産業用機械 / 輸送機器 | ||
| 主要取引先 |
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