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写真に映っている2つの部品は、どちらもアルミ合金 A2017 を素材として製作されています。A2017はジュラルミンと呼ばれるアルミ合金の一種で、軽量でありながら高い強度と優れた切削性を兼ね備えています。そのため航空機部品や産業機械、ロボット関連機器、治具・冶工具など、精度と耐久性が求められる分野で広く利用されています。
左側の円盤形状の部品は、放射状に肉抜き加工が施され、軽量化と剛性確保の両立が図られています。中心には大径の穴があり、周囲には複数の インチネジ のねじ穴が加工されています。右側の角形プレートも同じくA2017で製作され、中央には円形の段付き加工と複数のタップ穴が設けられています。これらのネジ穴には ヘリサートと呼ばれる補強インサートが組み込まれており、アルミの弱点であるねじ部の耐摩耗性を大幅に改善しています。
表面処理としては 黒色アルマイト(黒アルマイト処理) が施されており、耐食性の向上と高級感ある外観を実現しています。黒色アルマイトは単なる着色ではなく、アルミ表面を酸化皮膜で保護し、その後に黒色染色を施す処理で、耐摩耗性・耐候性・絶縁性などを高めることができます。
A2017の特徴とメリット
アルミ合金の中でも、A2017は代表的な強度系合金として知られています。以下にその特徴を整理します。
1.高い機械的強度
・純アルミや一般的なA5052などの合金と比較して、引張強さや耐力が高い。
・機械構造物や航空機部品など、高強度を必要とする用途に適している。
2.良好な切削性
・旋盤加工、フライス加工、マシニング加工などで非常に加工しやすい。
・精密な穴あけ加工やタップ加工が可能。
3.耐食性はやや劣る
・そのため、黒色アルマイトなどの表面処理を施すことで耐食性を確保する必要がある。
4.用途の広さ
・航空宇宙産業、精密機械、自動車、電子機器の部品など幅広く使用される。
今回の部品製作においても、A2017の強度と加工性を活かしつつ、アルマイトで耐久性を補完する構成になっています。
インチネジ採用の背景とメリット
写真の部品に採用されているネジ規格は インチネジ です。日本国内では一般的にメートルねじ(Mネジ)が主流ですが、航空機産業や海外規格の機械装置ではインチネジが多用されています。
・海外装置との互換性
アメリカやヨーロッパ由来の装置や規格ではインチネジが採用されることが多いため、グローバルな製造業では対応が必須。
・強度確保
インチネジは山の角度がメートルねじよりも鋭角で、締結力に優れる場面もある。
・産業別の標準化
航空機、宇宙産業、防衛関連ではインチ規格が長年使われているため、それに合わせた部品製作が必要となる。
本部品にインチネジを採用しているのも、海外製装置や規格準拠のためと考えられます。
ヘリサート加工の重要性
アルミ合金は強度が高いといっても、鋼材と比べるとねじ穴部分の摩耗やネジの引き抜きに弱いという弱点があります。特に インチネジ のように海外規格のボルトと組み合わせる場合、トルク管理が難しく、ねじ山が壊れるリスクがあります。
そこで有効なのが ヘリサート加工です。
・耐摩耗性の向上
ステンレス製のインサートをねじ穴に埋め込むことで、アルミ母材よりはるかに強靭なねじ山が形成される。
・繰り返し使用に強い
ボルトの着脱を繰り返してもねじ山が潰れにくい。
・軽量化と強度の両立
アルミ母材の軽量性を維持しながら、ねじ部の耐久性を補強できる。
・修復性
もしもねじ穴が破損しても、再度ヘリサートを打ち直すことで修復可能。
これらの理由から、精密部品や高価な装置の部品ではヘリサート加工が標準的に行われます。今回の部品にも複数のねじ穴があり、そのすべてにヘリサートが挿入されていることから、高精度かつ高耐久性を求められる製品であることが伺えます。
黒色アルマイト処理の役割
本部品は黒色アルマイトで表面処理されています。アルマイト処理はアルミ表面を人工的に酸化皮膜で覆う処理で、以下のようなメリットがあります。
1.耐食性の向上
A2017は強度に優れる反面、耐食性が低いため腐食しやすい。
アルマイト処理により表面が酸化皮膜で覆われ、腐食を防ぐ。
2.耐摩耗性の強化
・表面が硬質化し、擦れや摩耗に強くなる。
3.外観の美しさ
・黒色アルマイトにより、高級感が増し、光反射を抑えた落ち着いた仕上がりになる。
4.電気的特性
・アルマイト皮膜は絶縁性を持ち、電気的な干渉を防ぐ用途にも適している。
特に精密機器や光学装置の部品では、光反射を抑える黒色アルマイトが好まれる傾向があります。今回の部品も、その特性を活かして仕上げられていると考えられます。
加工技術のポイント
この部品を製作するには、以下のような加工技術が必要です。
・マシニング加工
外形切削、肉抜きポケット加工、円形穴加工など。
・タップ加工(インチネジ)
精密な位置決めでタップを立て、ヘリサートが確実に挿入できるようにする。
・面取り加工
バリ取りや組立性向上のために丁寧に仕上げ。
・黒色アルマイト処理
表面処理業者に依頼し、品質を一定に保つ。
いずれも高精度なNCプログラミングや加工条件設定が必要であり、特にインチネジやヘリサートは誤差の許されない加工となります。
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| 国 | 日本 | 住所 |
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| 資本金 | 300 万円 | 年間売上高 | |
| 社員数 | 45人 | 担当者 | 石川 晃 |
| 産業分類 | 重電関係 / 治工具 / 工作機械 | ||
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