造船、発電、化学プラントなどでは、ポンプや攪拌機のグランド部およびフランジ部において、多様な流体（海水・熱水・油・有機溶剤等）が高温・高圧環境下で扱われます。このような環境では、シール材の摩耗や劣化による漏れが発生しやすく、設備停止や保守コスト増加の原因となります。TOMBO No. 9077-L（ナフロン®カーボンファイバーパッキン L）は、カーボンファイバーにPTFEディスパージョンと特殊潤滑剤を含浸させた高密度編組構造により、260 ℃の高温下でも優れたシール性を維持します。さらにpH 0〜14までの流体に対応し、造船・化学プラント・発電分野の過酷条件における長期安定稼働を実現します。

特徴・構造・性能

カーボン繊維の耐熱・耐摩耗性とPTFEの低摩擦・耐薬品性を融合。使用圧力2 MPa、使用摺速10 m/s、PV値16.5 MPa·m/sを実現し、ポンプや攪拌機などの高速回転機器でも安定した性能を発揮します。水・蒸気・油・有機溶剤など幅広い流体に対応し、酸・アルカリ環境下でも長寿命です。

導入メリット（現場課題→解決）

高温高圧・多流体系環境下では、従来パッキンの摩耗や固着により頻繁な交換が必要でした。9077-Lは耐熱性と自己潤滑性を兼ね備えており、焼き付きやシール劣化を防止。再締付け頻度を減らし、保全作業を効率化します。また、寸法安定性が高く、締付後のシール性も長期間維持されるため、運転停止リスクを最小限に抑制します。

選定・適用ポイント（How To）

流体の種類・温度・圧力条件を確認し、特に高温流体や摩耗の激しい環境では9077-Lを優先選定します。グランド部・フランジ部の寸法を正確に把握し、均一トルクで段階締付を行うことで最適なシール性を発揮します。加工寸法や仕様を明記したうえで、発注時には「ナフロン®カーボンファイバーパッキン TOMBO No. 9077-L」と指定してください。

用途・実績（信頼性）

造船・発電プラント・化学プラントのポンプ軸封部、攪拌機パッキン部、海水冷却ラインなどで多数採用されています。摩耗・焼き付きが少なく、長寿命化とメンテナンス削減を実現。高信頼性が求められる設備のシール材として確固たる実績を有します。

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