樹脂ウエルドライン（weld line）とは？　～豆知識～
射出成形で金型内に流れる溶融樹脂が、リブなどの障害物で分岐した後、再び合流する際に、樹脂温度が低下して完全に融合せず、製品表面に現れる線状の痕（筋）のことです。
外観不良になるだけでなく、分子鎖の絡み合いが不十分なため強度が低下する（強度が60～80%に低下することも）場合もあり、機能部品では破損の原因にもなるため、対策が必要です。

【 主な特徴 】
■ 見た目 : 傷のように見える筋状の溝ができる。
■ 原因 : 金型内で冷えた樹脂の先端同士が、温かい樹脂と合流するため、融着が不十分になる。
■ 影響 :
・ 外観品質の低下（特に意匠部品では問題）
・ 強度の低下（特にガラス繊維強化樹脂で顕著）
・ ガス溜まりにより塗膜やメッキの密着不良が起こることもあります。

【 主な対策 】
・ ゲート位置の変更 : 樹脂が合流する位置を製品の目立たない場所にする、または合流させない位置にする。
・ 金型設計の工夫 : ゲートの数を増やす（多点ゲート）、ガスベント（空気抜き穴）を設ける。
・ 成形条件の最適化 : 金型温度を上げる、射出圧力を上げる、サイクルタイムを調整する。
・ 材料の選定 : 流動性の良い材料を選ぶ。
・ CAE解析 : 樹脂流動解析ソフトで発生位置を予測し、設計段階で対策する。

技術相談や材料選定にお困りの際は、日進工業株式会社へ是非ご相談ください。

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