スーパーエンプラは、その優れた耐熱性、耐薬品性、機械的強度などから、さまざまな産業分野で使用されます。しかし、用途によっては、人体や環境への影響を考慮した複数の規制・基準に適合する必要があります。

【 主な国際的な規制・基準 】
■ RoHS指令（特定有害物質使用制限指令）
・ 概要: 電気・電子機器における特定有害物質（鉛、水銀、カドミウムなど）の使用を制限する欧州の指令です。
・ スーパーエンプラへの関連性: スーパーエンプラ自体が規制物質を含むわけではありませんが、電子機器の部品として使用される場合、RoHS指令に適合している必要があります。メーカーは、指令の対象となる化学物質を含有していないことを証明する義務があります。
■ REACH規則（化学品の登録、評価、認可及び制限に関する規則）
・ 概要: EU域内で製造・輸入される化学物質を登録・評価・認可し、人の健康と環境保護を目的とする規則です。
・ スーパーエンプラへの関連性: REACH規則の対象となる化学物質（高懸念物質（SVHC））がスーパーエンプラ製造に使用される場合、含有量によっては登録や情報提供が求められます。
■ FDA（米国食品医薬品局）
・ 概要: 食品や医療機器、医薬品の安全性に関する基準を定める米国の機関です。
・ スーパーエンプラへの関連性: 医療機器や食品と接触する用途（容器など）にスーパーエンプラを使用する場合、FDAの定める規格や認可に適合する必要があります。PEEK樹脂などが医療分野で使用される例があります。

【 日本国内の規制・基準 】
■ 食品衛生法
・ 概要: 食品、添加物、器具、容器包装などの安全性を確保するための法律です。
・ スーパーエンプラへの関連性: 食品に接触する容器や器具にスーパーエンプラが使用される場合、この法律に基づいた安全基準に適合している必要があります。特に、化学物質の溶出に関するポジティブリスト（PL）制度への対応が重要です。
■ 建築基準法、消防法
・ 概要: 建材や消防設備などに使用される材料の難燃性に関する基準を定めています。
・ スーパーエンプラへの関連性: 高い難燃性を持つスーパーエンプラは、こうした分野で活用されますが、各法で定められた燃焼性や発煙性などの要件を満たす必要があります。

＊用途によって使い分け : 求められる性能に応じて、最適なプラスチックを選択する必要があります。
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