----- 熱処理の種類-----
熱処理(焼き入れ)とは鋼材を高熱状態に加熱し任意の温度で急冷することで組織構造を変化させ、
硬度や耐摩耗性、引張強さなどを向上させる処理になります。
今回も、前回、前々回に引き続き熱処理の種類についてピックアップしご紹介いたします。

[浸炭焼き入れ]
浸炭とは、鋼の表面に炭素を拡散して浸透させることを言い、浸炭焼き入れは一般的に浸炭だけ
でなく、浸炭を行った後に焼き入れを行います。また、浸炭を行ったあとは、硬さに影響する炭
素が表面近くに多くありますから、通常の焼き入れでは得られない表面の硬さにすることができ
ます。
浸炭焼き入れを行う方法は、通常のままでは焼き入れできない低炭素鋼などの表面に、炭素をし
みこませて(浸炭)、表面を高炭素状態にした後、焼き入れと焼き戻しを行います。
この様な浸炭焼き入れを行うことで、表面は硬く耐摩耗性に優れ、内部は低炭素鋼のままの柔ら
かい状態で靭性の高い鋼にすることが可能です。
種類としては、液体浸炭、ガス浸炭、個体浸炭などがありますが、一般的にはガス浸炭が多く使
われており、最近では真空技術による真空浸炭などもあります。
浸炭焼き入れは、表面焼き入れと違って形状の制限を受けず、複雑な形状の小型の部品の大量施
工ができるというメリットがあります。

[高周波焼き入れ]
高周波焼き入れとは、鉄鋼材料で造られた部品の必要部分のみを瞬時の加熱、急冷により焼き入
れ硬化させる熱処理のことです。
メリットとしては高周波発振器の周波数や加熱コイルの形状を選択することで大型機械から精密
機械にいたるまで様々な部品の表面硬化することにより部品の耐摩耗性や疲労強度などの機械的
強度の向上が容易に得られます。
種類は炎焼き入れ、レーザー焼き入れ、電子ビーム焼き入れがあります。
高周波のデメリットは大きな素材の加工がしにくいことと、複雑な形状の部品には電流が一定に
ならないため難しいという点があげられます。


弊社ではこの様に材料の特性を生かし、耐摩耗工具の製造・販売を行っております。
機械部品の製造や加工でお困りでしたらぜひご一報ください。
その他情報も弊社ホームページに掲載しております。

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