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★ 硬質クロムめっきの特徴と活用事例(ギアケース)
■ 硬質クロムめっきとは
硬質クロムめっき(ハードクロムめっき、工業用クロムめっき、HCR、ICr)は、多くの機械的特性をもつ代表的なめっき加工技術です。膜厚が薄い場合は「フラッシュめっき」「ミクロンめっき」と呼ばれることもあります。
非常に硬く、摩擦係数が小さいため、耐摩耗性や耐久性に大きく寄与します。
■ めっきの原理
硬質クロムめっきは、無水クロム酸(CrO3)を主成分とし、微量の硫酸を加えた単純な浴組成で行います。
この浴は「サージェント浴」と呼ばれ、90年以上前に開発されて以来、現在でも広く利用されています。標準的な組成は無水クロム酸:硫酸 = 100:1(重量比)です。
■ 特徴と性能
硬質クロムめっきは以下のような特性をもち、油圧機器のギアケースをはじめとする部品に適用されています。
① 硬さ
750〜1000HVと非常に高硬度。標準条件で約900HVを安定して得られます。
②耐摩耗性
最も重視される特性で、金属摩耗の抑制に優れています。
③摩擦係数
他のめっきよりも低く、摺動部品に有効です。
④耐食性
塩化物以外の化学薬品や大気中で安定。10μm以上で良好な耐食性を発揮します。
⑤水素脆性
鉄鋼などの下地材では注意が必要ですが、ベーキング処理で改善可能です。
⑥潤滑性
相手材と凝着しにくく、摩擦低減効果があります。
⑦非磁性
磁性の影響を受けません。
⑧耐熱性
200〜400℃で徐々に硬度低下、400℃以上で急激に減少。
⑨密着性
合金化により強固に密着。剥がれにくい。
⑩肉盛り性
寸法修正や修理に有効で、最大1mmの厚膜めっきも可能。
⑪水素脆性の除去
めっき後4時間以内に190〜200℃で2時間以上の熱処理を行い改善。
⑫離型性
低摩擦性と滑り性により金型用途に適する。
■ 近畿防蝕の技術と取り組み
近畿防蝕は、長年培ったマスキング技術と、自社設計・製作による治具を活かし、通常では困難な部分めっきや複雑形状への処理にも対応しています。
品質向上に向けては、5S3定活動に加え、社長を含む全社員が現場で品質調査に立ち会い、不良ゼロを目指した活動を実施。
万が一クレームが発生した場合も、自社分析機器を用いて迅速に原因調査・報告を行っています。
■ まとめ
硬質クロムめっきは、高硬度・耐摩耗性・耐久性を兼ね備え、油圧機器をはじめとするさまざまな分野で活躍しています。
ギアケースのような耐摩耗性が求められる部品にも有効です。
難易度の高いめっき処理や品質面でお困りの際は、ぜひ 近畿防蝕(株) にご相談ください。
近畿防蝕株式会社
兵庫県三木市別所町近藤中川原248-7
TEL:0794-82-0096
FAX:0794-82-9020
http://kinki-boushoku.co.jp
| 会社名 |
近畿防蝕 株式会社 (きんきぼうしょく) |
エミダス会員番号 | 87574 |
|---|---|---|---|
| 国 | 日本 | 住所 |
日本 兵庫県 三木市 |
| 電話番号 | 0794-82-0096 | FAX番号 | 0794-82-9020 |
| 資本金 | 2,700 万円 | 年間売上高 | 100,000 万円 |
| 社員数 | 60人 | 担当者 | 古塚 |
| 産業分類 | 重電関係 / 産業用機械 / 電子部品 | ||
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