医療機器に使用される精密筐体部品は、外観品質と機能性の両方が求められます。特にA5052材は、軽量で耐食性に優れている一方、加工中にバリや変形が起こりやすく、細部の仕上げに苦労することもあります。複雑な形状を維持しつつ、美観と寸法精度を両立させる加工が必要でした。

◇A5052精密筐体とは？
アルミ合金の中でもバランスの取れた機械的特性を持つA5052材を使用した筐体です。主に医療機器の外装や支持構造に採用され、軽量で耐食性が高いことが特長です。

◇製品詳細
・素材：A5052
・サイズ例：250×180×60mm
・加工精度：平面度0.05mm以内
・仕上げ：バリ除去・黒アルマイト処理対応
・対応数量：単品～小ロット（5～10個程度）

◇特長
・複雑な三次元形状のマシニング加工に対応
・表面バリを極限まで抑えた滑らかな仕上げ
・医療機器特有の耐薬品性・清拭性に配慮した素材選定
・外観を損なわないアルマイト処理が可能

◇使用例
・血液分析装置や診断機器の外装パネル
・医療モジュールの制御筐体
・手術室設備のアルミ製ボックス
・検査用機器の取付けフレーム

◇加工方法
立型マシニングセンタ「MB-56VA」や「MF-46VA」などを使用し、3D CAD/CAMで設計されたモデルを高精度で切削加工。細部にはバリ除去専用ツールと手仕上げを組み合わせて対応し、表面は黒アルマイト処理まで一貫対応。

◇取組み
設計段階から加工性を考慮した図面提案を実施し、試作段階では顧客とのフィードバックを重視。A5052材特有の曲がりや歪みを抑える治具設計と加工順の最適化にも取り組んでいます。

◇まとめ
A5052精密筐体の加工には、高精度・高外観品質を両立するノウハウが不可欠です。医療機器分野における複雑形状や衛生面への要求にも柔軟に対応し、信頼されるモノづくりを実現しています。

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