電子冷却装置に使用される銅プレートは、熱伝導性と加工精度の両立が求められます。特にC1020のような無酸素銅は、放熱効率に優れる反面、加工歪みや変形が発生しやすく、製作時には多くの試行錯誤がありました。平坦度と寸法精度を確保しつつ、複雑な仕様を満たす必要がありました。

◇C1020銅プレートとは？
高純度の無酸素銅で構成されたプレート部品です。電子冷却装置などで用いられ、高い熱伝導率と信頼性が求められます。高放熱用途で特に採用されている素材です。

◇製品詳細
・素材：C1020（無酸素銅）
・サイズ例：200×150×10mm
・加工精度：平面度0.1mm以下
・仕上げ：バフ研磨または金メッキ処理対応
・数量：小ロット（1～5個）対応可

◇特長
・高い熱伝導性を活かした放熱部品に最適
・加工歪みを抑える固定・クランプ技術
・高精度切削＋バフ仕上げで滑らかな表面品質
・微細溝や多段階穴なども対応可能

◇使用例
・電子冷却ユニットの中間プレート
・パワー半導体用放熱ブロック
・制御基板用冷却サブプレート
・真空装置の熱伝導部品として採用

◇加工方法
オークマ製五軸マシニングセンタ「MU-400VⅡ」を使用。ワンチャッキングで多面加工を行い、熱変異を抑えるプログラム制御を活用。最終工程でバフ研磨または金メッキ処理を行い、外観と機能を両立させています。

◇取組み
加工歪み対策として、治具設計とプログラム最適化を実施。さらに深溝や貫通穴のバリを抑える切削条件の調整により、歩留まりと品質を両立。難加工材である無酸素銅の安定生産に取り組んでいます。

◇まとめ
C1020銅プレートの加工において、放熱性と精度の両立は簡単ではありません。多品種少量に対応しつつ、一貫した品質を提供できる加工体制が、電子冷却装置分野で信頼される理由です。

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