表面処理は、工業製品や機械部品の表面性能を向上させるために欠かせない技術ですが、従来の方法には環境に有害な物質が多く含まれています。特に硬質クロムめっきはその代表例で、六価クロムなどの有害物質を使用するため、人体への影響だけでなく、河川、土壌、大気汚染などの深刻な社会問題を引き起こしています。このような背景から、環境にやさしい表面処理技術の開発が強く求められていました。

当社は、約9年前からクロムフリーの表面処理技術の調査と研究に取り組み始め、4年ほど前から本格的な開発をスタートさせました。そして、令和3年6月に量産化の目途が立ち、新技術「セラミックコーティングERIN®」を発表しました。この「ERIN®」処理は、原料および処理工程において環境負荷物質を一切使用せず、耐摩耗性、耐食性、耐熱性などの性能に優れています。

「ERIN®」は、従来のめっき技術に代わる画期的な技術であり、環境に優しいだけでなく、高性能な表面処理を実現します。これにより、従来の方法に頼らず、持続可能な製造プロセスを確立することが可能となりました。長年にわたり、業界が解決できなかった環境問題に対し、大きなイノベーションを提供し、持続可能な未来に貢献します。