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Moldex3Dユーザー訪問「三つ星ベルト株式会社」
工業用ベルトの専業メーカーとして1919年に創業した同社は,自動車用タイミング・ベルトなどの伝動ベルト,貨物用コンベア向けなどの搬送ベルトといった各種ベルトを提供する事業を中心に,いまでは防水・遮水材,エンジニアリング・プラスチック,ナノテクノロジを活かしたガラス用塗料やプリント基板に使う銅導体ペーストなど多くの分野の事業を手掛けている。その中の一つが,射出成形品事業である。
同社がMoldex3Dを導入したのは,1997年秋のことだ。当時,手掛けていた自動車用インパネの市場要求にこたえるために射出成形技術の本格導入を始めたときである。それまで高級車向けインパネを中心に手掛けていた同社は,複数の部材を一つの金型で一体化する技術を中心に使っていた。高・中級車向けインパネは,異なる質感を組み合わせて高級感を高めることが多かったからだ。ところが,このころから低コスト化をはかるために中級車向けは,普及モデルと同様に射出成形による単一部材のものへ自動車メーカーがインパネの設計を変えるようになってきたことから,同社は射出成形技術の強化に踏み切った。このときに併せて開発や量産の効率化を進めるために樹脂流動解析ツールを含めたCAEの導入の検討を始めた。
CAE導入の旗振り役を務めると同時に,導入するソフトウエアの選定を担当したのが同社の研究開発本部である。同社研究開発本部は,先行技術の開発だけでなく,製品設計や量産を受け持つ部門の業務支援をミッションとして抱えている。「お客様への様々な対応や納期に追われることが多い設計部門や量産現場では,根本的な業務改善までなかなか手が回りません。そこを肩代わりするのが研究開発本部の大きな役割の一つです」(解析担当者)。
同社が3次元樹脂流動解析ツールとしてMoldex3Dを選択した理由は,高いパフォーマンスに加えて,開発現場の実際の要求に対応できる柔軟性を備えていたことだ。しかも,当時比較した他社製品に比べて安価だったことも大きな理由だという。「実は当初,別の樹脂流動解析ツールを導入する気持ちを固めていました。まさに製品を購入しようとしていた矢先に,Moldex3Dが発売されたこと知りました」(解析担当者)。
当時,CAEソフトウエアの選択を担当した研究開発本部解析担当者は,展示会にMoldex3Dを見に行ったのを皮切りに同製品の検討を始め,最終的にMoldex3Dを選んだ。
すでに同社がMoldex3Dを導入してから約10年が経った。「これまで目に見えなかった金型内の様子をシミュレーションできるようになったことで,金型の設計に自信がつきました」(解析担当者)。つまり,従来は経験だけに基づいて決めていた型締力や,成形不良が発生しやすい箇所の対策を,シミュレーションによって理論的に裏付けることができたことで,その後の設計において迷うことがなくなったという。
設備投資の削減にも役立っている。「型締力など生産する製品に必要な成形機の能力をシミュレーションで事前に検討することや成形条件の最適化で型締力の最小化を図ることで,従来よりも小型の装置を導入できるようになりました」(解析担当者)。
「Moldex3Dには仮想的なセンサを設けて金型内部のデータを調べる機能を備えています。この機能を利用することで最適な成形の条件をかなり正確に割り出せます」(解析担当者)。
最終更新日:2012-07-30
Moldex3Dユーザー訪問「第一電子工業」
第一電子工業では、主にMoldex3Dを多極コネクタと一部の丸形コネクタに使用している。金属の金型に樹脂を注入し、冷却後取り出す射出成形によって製造する製品は、ほとんどが流動解析の対象になる。
同社では製品サイクルの長い製品も販売する一方で、携帯電話機やデジカメなど半年で入れ替わる製品も扱う。「このような製品サイクルの短いコネクタでは、開発時間の短縮と量産の立ち上げができることが何よりも重要になります」(生産技術開発第一部 部長桑原寧氏)。
コネクタは樹脂部分と金属製のコンタクトからなり、かつてはコンタクトを基盤穴に挿入して基盤裏面から、はんだ付けを行っていた。現在はエンドユーザー製品の小型・薄型化により表面実装が一般的となり、コネクタに対しても小型薄型とはんだリフロー工程で反りの少ない品質要求も高まっている。
■実物との整合性の高さが決め手に
同社では2000年に3次元CADの導入し、それにあわせ3次元CAE導入についても検討を始めた。手始めに1つのコネクタを解析依頼したが、他社のCAEソフトのシミュレーション結果は実際の成形品の形状と期待したほど一致しなかった。「その中で格段に精度の良かったのがMoldex3Dでした」(事業統括部 事業推進部 要素技術開発課 井上尊勝氏)。
デモ版を借りて操作してみたが、他社のものとは違い操作も簡単で、「使い出すと、これがなければ仕事ができなくなると感じました。」(井上氏)。
また、セイロジャパンは豊富なコネクタの事例も持っており、信頼できたという。コネクタは肉厚が場所により大きく異なり、通常は解析が難しいのだ。製品形状だけではなく、スプルー/ランナーも含めて完全3次元解析ができることもMoldexの特徴である。
■大幅に設計コストを削減
主力製品の一つであるFPC用コネクタ0.5mmピッチに対してMoldex3Dを採用した結果、解析にかかる時間は大幅に削減された。「樹脂の流れを目で見ることは容易ではありません。従来は過去の事例を参考にした上で金型を製作しても、作り直すこともありました。これがシミュレーションで代用できるようになり、時間短縮の面でも、金型製作コストの面でも大いにプラスになっています」(生産技術開発第一部 主任松本靖洋氏)。
■高度なシミュレーション結果に満足
CADシステムとして導入している「SolidWorks」との相性もよく,トラブルらしいトラブルはない。また,なんといってもシミュレーション結果の精度がよいという。最初はシミュレーションと成型品が一致しないこともあったが,メッシュの切り方などを検討し,品種によっては思い通りに使用できるようになった。「シミュレーションを活用し金型を一回で完成させることもできる段階になっています。将来は樹脂成型の全製品への適用も視野に入れています」(桑原氏)
同社のMoldex3Dの使用環境はワークステーションによるパラレル・コンピューティングだ。メッシュ作成に要する時間は標準で半日,解析は1日から長い場合は1週間に及ぶこともある。複数個を一度につくる多数個取り金型の場合はメッシュを作成した際のエレメント数が特に大きくなる。800万エレメント以上になることもあるが,「大きな解析データを何本も流して,数日間パソコンの前を離れることも可能です。解析の難しい部分はタイムステップを細かくするなどソフトが自動で対応するため,解析エラーで途中終了するということもめったにありません」(井上氏)。
最終更新日:2012-07-30
CimatronEユーザー訪問「クラフト」
クラフト(本社:東京都西多摩郡瑞穂町長岡)は、独自の高速高精度切削加工に強みを持ち、本型同等の試作金型から量産品レベルの試作成形品を提供する新製品開発支援のスペシャリスト集団である。同社のスピーディな高付加価値の試作品製作に大きく貢献しているのが、セイロジャパンの提供する3次元CAD/CAMシステムの「CimatronE」だ。
「CAD/CAMによる高精度な試作品製作で使われるデータを、なぜ金型に活かせないのか」 クラフトが試作で培ってきたノウハウを活かして、金型づくりに進出したのは、こんなきっかけからだった、と常務取締役の辻野秀樹氏はいう。
現在の本社工場に移転した翌年の1999年、金型部が設置される。当初の目標は、通常は1~2カ月かかっていた金型製作を、1週間~10日で行なうというインパクトの強いものであった。ちょうど、噂を聞きつけた携帯電話メーカーから声がかかり始め、クラフトは金型のスピード製作に注力しはじめる。そうした中で、協力会社で、とてつもなく速く金型データの作成を行うところがあった。そこが使用していたのがCimatronEの前身であるΦSTATIONであり、セイロジャパンが提供していることを知った。
■NCデータ作成の早さに驚き
興味を持った辻野氏は早速、展示会でセイロジャパンのブースを訪問する。「展示のデモで、NCデータ作成の早さにとにかく驚いた(辻野氏)」ことから、同社はCimatronEの導入を決断する。それが2002年のことである。導入してからの効果は明らかであった。「モデリングをしてカッターパスを出す、NCデータをつくる演算時間がものすごく速い。今までだったら、一晩かけていたのが数分で出せる」と辻野氏はいう。これまでは、難しいモデリング作業をしてからデータ作成の演算処理を退社前に開始し、「朝来たときに上手くいけばNCデータができている」といった進み具合で3日ぐらいはかかっていた。ところが、CimatronEでは、モデリングのしやすさに加えて演算がわずかな時間で済ませられるため、モデリングからNCデータ作成までの工程をほぼ1日で終わることができ、退社前に加工機のセッティングまで終えてしまうという事例がいくつも出てきたのである。「仕事の仕上がりが明らかに速くなりました」(辻野氏)
スピードアップしたのは、これだけではない。CimatronEではサーフェスデータでつくられたモデルを、容易にソリッドデータにスピード変換できるため、作業効率が向上した。サーフェスデータでは、面に分かれているためカッターパスを走らせる演算も面単位になるが、ソリッドだと1つの塊として認識できるため演算処理も格段に早い。加えて、3Dモデル表示のレスポンスが遥かにいい。例えば、サーフェス面が3000枚あるようなデータの場合、以前は裏側の形状を見るために回す時間がかかっていたが、ソリッド化して一瞬のうちに全部を見ることができる
■カッターパスの良さが、仕上がりの良さに直結する
また、五十嵐氏はスピードだけでなく、CimatronEのNCデータの質の良さも評価する。「取り残し加工にも優れ、なおかつカッターパスもきれいなものが出ます。カッターパスが悪いと仕上げで磨き加工が必要になってしまいますが、CimatronEでは細かい良いパスが出せるので磨きレスに近い状態の仕上がりができ、余分な工程がかかりません」セイロジャパンの丁寧なサポートにも、同社は大きな信頼を寄せている。
最終更新日:2012-07-30
CimatronEユーザー訪問「鹿嶋工業」
1964年(昭和39年)創業の鹿嶋工業は、創業以来、工業用試作モデル製作に特化した事業を展開してきた。「総合試作モデルメーカーとして、板金、金属切削、モールド加工、塗装、印刷--と幅広く、サービスを提供してきました。お客様は、大手電機メーカー、パソコン・メーカーなど多岐にわたります。各メーカーの設計・開発部門,あるいは研究所などとお仕事をさせていただいています」(同社代表取締役社長の浜田英洋氏)。
その鹿嶋工業が、最初に注目したのがセイロジャパンが1989年から国内販売を開始した3次元CAD/CAMシステム「Φ(ファイ)STATION」だった。ΦSTATIONは、鹿嶋工業が導入を決めた1995年当時から他製品に比べて群を抜いていたと、浜田氏は語る。「ΦSTATIONは、CAM中心のソフトウエアでしたが、3次元モデリング機能も充実し、CAMのきめ細かい機能の充実度にも感心しました」(浜田氏)。
そして、さらなる効率化、納期短縮などのニーズに答えるべく、2006年9月に同時5軸加工向けCAD/CAMソフトウエア「CimatronE」と加工シミュレーションソフト「NCSimul」を導入した。複雑な形状の試作品を,素早く加工するためだ。
「従来は、複雑なパーツの加工には、冶具で様々な方向に固定し、何回も段取り替えを行なうことが必要でした。これだと非常に手間がかかり、また加工精度にも問題があります。ところが同時5軸加工では、1回の段取りで精度の高い加工が可能であり、スピードアップにも繋がるし、コストダウンにもなります」と浜田氏はいう。
「2006年11月に、JIMTOF(日本国際工作機械見本市)を視察に行きましたが、工作機械メーカーのブースは5軸のオンパレードでしたね。5軸加工は、これからの標準になると見ています」と浜田氏は、5軸加工の将来性をアピールする。
鹿嶋工業では、セイロジャパンのサポート体制も評価している。セイロジャパンでは、専門のサポートセンターを設置し、ユーザーの導入をサポートする。「5軸加工は、ソフトウエアを実際のマシンにフィットさせるために微妙な調整が必要になります。ソフトウエアの導入・立ち上げの際には、ただ導入研修を行って終わりではなく、お客様の現場に詰めて、実加工でマシンとの調整をお手伝いします」
現在、相模原の本社工場、および茨城県鹿島市の茨城工場では、CimatronEによって3軸から5軸までの加工が行なわれている。「5軸になって、今までできなかったような加工、例えば、壺の内側を削るようなものもできるようになり、どんな仕事でも安心して受注できるようになりました。CimtronEの5軸機能には、様々なバリエーションがあり、どのような仕事が来るか分からない試作業には最適だと思います。」(鹿嶋工業MCセンタープログラム課長の米倉剛氏)。
基本的には、機器メーカーから渡されたCADデータを変換してCimatronEにかける。「大きなものをこちらで分割しなければいけないときなど、データ分割などの作業が容易にできるのもCimatronEの操作性のよいところ」と同社MCセンターでCimatronEを主に操作する山田直幸氏は評価する。
5軸加工では、加工シミュレーションが重要な工程になる。加工機械が、干渉を避け、どういう形で加工するかをチェックするのが大事だ。「そういった干渉チェックも、同じセイロジャパンから提供されているNCSimulで手早く確認できるようになっています」と山田氏は付け加える。
最終更新日:2012-07-30
G2camユーザー訪問「日本無線」
日本無線は、船舶用無線機のメーカーとして1915年(大正4年)にスタートし、その後、業容の拡大を進めてきた。現在は、移動体通信などの通信機器事業、船舶無線などの海上機器事業、防災情報などに関連するソリューション事業、および特機事業の4つを柱としている。
同社の製品は顧客や案件ごとの特注が多い。しかも、厳しい設置環境においても安定した動作が求められる製品を主に扱っているため、金属部品を多用する点が特徴だ。それら金属部品の加工を担当しているのが生産本部に属する製造部機械工場機械加工課である。同課は設計部から渡されるCADデータをもとにCAMソフトウェアで加工データを作成し、加工機を使って切削や穴開けなどの金属加工を行っている。
彼らは2つの課題を抱えていた。ひとつは加工データの作成にかなりの時間を要していたことだ。同課では年間を通じて300点ないし400点の新規部品を取り扱っているが、データ作成のスループットが低いと、試作や製品の納期にも影響を及ぼしかねない。
もうひとつは設計部門が三次元CADの導入を進めていたことだ。設計から渡される3D CADデータをそのまま扱えるCAM環境を構築する必要があった。
このような課題に対して同課では、3D CADにも対応できる新しいCAMの検討を開始した。候補に挙げたのは3種類のソリューションである。評価では、データ作成速度や設計部門が導入する3D CADとの親和性のほかに、次のポイントにも注意したという。ひとつは使いやすさとデータ品質だ。「今までは熟練工の技能に頼っていた部分もありましたが、将来を見据えると、誰が作業しても同じ品質を維持するような仕組みが重要と考えました。その意味でも操作性や使いやすさを重視する必要がありました」
もうひとつは作り込み、CAMソフトのカスタマイズを必要としないことだった。専用システムになってしまうとメンテナンス等が面倒になるおそれがあるからだ。
さらに、2Dデータと3Dデータの両方が扱えるという点も重視した。設計部門の環境が3D CADに移行しつつあるとはいえ金属部品の加工では2Dが多い。両方のデータを効率よく扱える必要があった。
ほぼ一年間にわたる評価の結果、同課ではセイロジャパンが提供する3D CAMソリューション、「GOelan」を選定した。「GOelanを選定した理由は私たちが望むすべてのポイントを満たしていたことです。なかでも操作性がきわめて優れている点を高く評価しました。また、2Dデータを今まで以上にきちんと扱える点も決め手のひとつになりました。3D CAMの機能に比重が置かれている他のソリューションでは2D加工の効率が落ちてしまうためです」
GOelanの使いやすさは稼働までのスピードにも表れた。課員はトレーニングを4日ほど受講しただけで、ほぼ1ヵ月後には習熟できたという。「完全に最適化したパスを得るまでにはもう少し時間が必要でしたが、それでも1ヵ月ほどで使えるレベルになり、すぐに本番環境として利用を始めました」
データ作成のスピードも上がった。新しい製品であれば古い製品に比べてどれも性能は向上しているだろうという考えのもと、ソリューション選定の際には処理速度はそれほど詳細には評価しなかったという。それでも実際に利用してみると、小規模で単純な部品では旧来の国産2DCAMシステムとそれほど差はないものの、大きく複雑な部品では従来かかっていた時間の1/5から1/10で加工データが得られるようになった。
最終更新日:2012-07-30
NCSIMULユーザー訪問「MESSIER-Bugatti-DOWTY」
Messier-Bugatti-Dowty社 はエアバスとボーイング社のサプライヤーである Safran グループの企業であり、航空機のランディングギア(着陸装置)システムの設計、開発、製造およびサポートを行う、世界的リーダーの役割りを担う企業です。
■ Messier-Bugatti-Dowty 社について
民間航空機の供給のため、同社は国内路線用ジェット機から大型のワイドボディ機(客室に通路が2本ある)まで、実に様々な種類の航空機のランディングギア(着陸装置)の設計、製造、開発およびテストを行っています。
Messier-Dowty 社の蘇州工場は、中国の蘇州産業パーク内にある製造工場で、2002年に開設されました。2011年には、他社と合併し、Messier-Bugatti-Dowty社と社名を変更しました。ここでは中型サイズの構造物の製造と組み立てを専門に行っています。ここから製品を、ヨーロッパおよび北アメリカのMessier-Bugatti-Dowty 工場に供給しています。
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同工場の主な特長:
• 中型サイズ構造物の製造
• 部品組み立て
• 熱処理、表面処理
• Messier-Bugatti-Dowty 社のアジアにおける拠点
.■ 同社の課題
Messier-Bugatti-Dowty社 の蘇州工場は、多くの課題を抱えているなか、企業競争力を維持するため、プログラムテストに費やす時間を削減することを検討しました。
特に、加工プログラムの検証と修正に多くの時間を費やすことにより、コストがかさみ、工場での処理能力が制限されていました。
このような状況を改善するため、同社はデバックレスを目指し、NCプログラムを検証し修正が可能なソリューションを探していました。
一方NCSIMUL は、NC機を使用する前段階で全てのNCプログラムを効果的に検証することができるため、デバックレスを実現できるNCプログラムシミュレータです。
同シミュレータを用いることにより、製品製造の第一段階で高い信頼性を実現でき、現場でのNCプログラムの変更による作業の遅延を回避できます。
Messier-Bugatti-Dowty 社の蘇州工場ではNCSIMULの導入以来、製造工程を確信を持って進めることができるようになりました。
.■ 導入の利点
NCSIMUL は、NCプログラムでの加工プロセスをシミュレーションするためのソフトウェアアプリケーションです。
開発元のスプリングテクノロジー社は、 Messier-Bugatti-Dowty 工場向けに8ヶ月にわたるカスタマイズを行い、切削動作を正確にシミュレーションすることができるようにしました。
その結果、同工場ではNCSIMULで実際の製品の加工の前に、プログラムのエラーを修正し、干渉を回避することが実現しました。
同ユーザーにとってNCSIMUL 導入の最大利点は、実機で検証する時間を大幅に削減し、加工現場の機械稼働率を常に高い状態に保つことができた点です。
またプログラミングエラーを減らし、不良品や機械干渉をなくすことにより、加工リスクをゼロまで減らすことができました。
NCSIMUL アプリケーションはMessier-Bugatti-Dowty蘇州工場の企業競争力維持のために、大きな役割を担っています。
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最終更新日:2012-07-30
NCSIMULユーザー訪問「ZF-ゼット・エフ・フリードリヒスハーフェンAG」
同社は、機械加工の生産性向上、加工プログラムの信頼性向上、および加工プログラミング作成時間の短縮のために、加工シミュレーションの検討を行った。
その結果、 SPRINGテクノロジーズ社製の加工シミュレーションソフトNCSIMULが以下3要件を満たしたことで、ドイツにあるZFの9工場に導入され、期待に沿う内容で効果をあげている。
NCSIMULを選んだ理由とは:
(1) NCSIMULが、既存の CAD / CAM システムや、NC工作機械、情報システム とうまく連結できた。
(2) NCSIMULで、3Dの素材や治具でシミュレーションが可能であった。
(3) NCSIMUL上で、CNC機械加工(NC加工)で作業工程(段取り替え等)が確認できた。
ZFグループは、最終的には全世界123全ての製造工場で NCSIMUL を採用することを計画している。
ドイツにある同社の研究開発部門は、 NCSIMUL用に 全てのNC機械用のコントローラを作成し、今後の生産方法と最良実施例を模索している。
※同社は、3D CADはPro / Engineer, CAMは Pro / NC, 他PTC社製の2種類の ソフトウエア、及びEdgecam を使用している。
導入までの過程
「我々は2008 年に、市場での競争力の維持、さらには向上を可能にするような加工シミュレーションソフト導入の検討を248項目にもおよぶ仕様書を作成して開始しました。そこには、開発を支援するサプライヤの組織体制、およびサービス体制も含まれていました。」と、Peter Robl氏(同社Passau 工場の責任者および全てのZFグループの製造工場の担当者)は語っている。
加工シミュレーションソリューションのための要件
1.新たなソリューションは既存の情報システムとリンクできる。 (国により様々に異なる情報システム: SAP, Oracle, など)。
2.操作が簡単である。5~7軸のNC機を装備している全ての製造工場の現場作業者も簡単に操作を学ぶことができる。
3.製造工場で使用している様々なCAD/CAMシステムと相互接続が可能である。
4.シミュレーション中に、幾何形状(任意形状)の工具、工具ホルダーと、3D図形要素の工作物を使用し、それらが連動している。
5.多種類のNC工作機械(NCコントローラ)で作業できる。
6.加工プログラム中にNC工作機械の実際の作業工程(段取り替え等)をシミュレーションできる。
7.作業工程およびNCプログラム間で、シミュレーションのリンクが適切に行われる。
これが同社が作成した仕様書に書かれた要件である。
多くの工作機械をかかえるZFグループは、CAD/CAMシステムと工作機械との連携を支援してくれるビジネスパートナーを探していたという。SPRINGテクノロジーズ社は、この要望に対してポストプロセッサにおけるスペシャリストの提供も含め、多様な支援を行ったのである。
最後に、
「我々は、まず最初のステップとしてドイツの工場にNCSIMULを導入しました。次に CAD/CAM から作成されたNCデータの最適化と安全性のために、これを製造工程品質管理を行う標準ツールとして決定したのです。我々が目指すゴールは、自動車機器サプライヤーとして、今後も世界上位15位以内の規模を確立することです。」Peter Robl氏はこのように語っている。
最終更新日:2012-07-30
NCSIMULユーザー訪問「アルカテルバキュームテクノロジー」
アルカテルバキュームテクノロジー社は、真空技術およびリークディテクタ(漏えい検出器)の分野で世界最先端の技術を誇る企業の一つです。
現在、世界14の地域にあり、サポート拠点も世界に48のセンターと650名以上のサポート要員で対応しています。真空業界では最も急成長の会社です。
同社の開発する一連の製品には、真空ポンプ、リークディテクタ(漏えい検出器)、真空計測器、プラズマセンサー、真空バルブなどがあります。
同社の製品は、半導体、機器、製造、研究開発などの分野に集中的にマーケットを展開しています。
■アルカテルバキュームテクノロジー社の挑戦
アルカテルバキュームテクノロジー社が直面していた問題は、一つではありませんでした。
まず同社の抱える課題のは、食込みの発生を解決したり干渉を回避すると共に、加工現場での工具管理など多岐にわたっていました。
さらに、近年は過度なコスト競争により、NCプログラムの検証のための時間削減を絶えず求められています。
このような課題を解決するのに、NCSIMULは より優れたソリューションでした。
■NCSIMULを使用するメリット
NCSIMUL を導入したことにより、加工検証の為の 機械上でのドライランの頻度が最小限になり、同社の生産性は劇的に向上しました。
NCSIMUL 導入後、同社の機械は製造の目的のみに 使用され、リードタイムの短縮に貢献しています。
検証されたNCプログラムでは、全ての工具軌跡に対して、発生する問題はすでに解決されています。
その結果、加工検証に発生するリスクが少なくなり、同社の従業員は率先してNCプログラムの検証を行うようになりました。
同社の従業員はNCSIMUL に多大な信頼を置いています。加工を監視するオペレータが不在時も 安心してNCプログラムの夜間無人運転を行うことが出来ます。
こうしてNCSIMUL を導入したことにより、アルカテルバキュームテクノロジー社は、より複雑なNCプログラムに対しても、より効率的に作成できるようになりました。
.実際の加工の前にNCSIMUL の実行結果を表示する ことで、生産技術部門での安全の為の検査プログラムでも、検証されたNCプログラムが、より安全、かつ、有効であることが示されました。
「我々は最初にNCSIMUL で工程をチェックすることにしています。これでドライランでの検証を行っていた頃に比べると生産性が3倍になりました。 それは十分な相乗効果をもたらしています。 」とアルカテルバキュームテクノロジー社の担当者であるLionel FAVRE-FELIX氏(同社工業部、加工部長)は語ってくれました。
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最終更新日:2012-07-30
NCSIMULユーザー訪問「エアバス社」
エアバス社は1990年代の初期から NCSIMULを導入している。
メーカーとソフトウェア開発者間のWin-Winの協力が築けたことが、導入成果としてあげられる。
競合他社とのベンチマークとの比較の結果、NCSIMULが導入されたのは、1993年3月であった。
メオルトはグループで初めてソフトウェアを導入した工場であり、続いてツールーズにあるセイントエロイ工場でもNCSIMULが導入されることになった。
メオルト工場のITの責任者である Alain Allegro氏に話を伺った。
「シミュレーションツールを導入した主な理由は、それまでは試作にかかっていた時間が大きな負担であり、この時間をいかに削減するかということが課題だったからです。NCSIMULを導入する前は、 CADDS CAMアプリケーションからの加工プログラムを、ポリスチレンや軽合金部品上で低速でのドライランをしていました。この時間削減の問題に加え、NCSIMULの導入効果は他にもあります。加工サイクルを短縮し、プログラム作成後のプログラム検証を直ちに行える点です。」と、我々に語ってくれた。
導入後に始めてシミュレーションをしたプログラムは、平坦な素材での3軸ミーリングオペレーションであった。その後の技術の進歩に従い、新たな要望が上げられるようになり、その都度新たにNCSIMULの機能が付け加えられていった。
4軸加工、5軸加工、特殊工具を用いた加工設定のサポート、もちろん複合加工や高速加工との統合などである。
フランスでの他のエアバス工場と同様に、昨年よりメオルト工場は NCSIMUL新シリーズに移行し、従来の加工の向上やその部門での特殊技術、とりわけHSM (高速加工)における利点について研究を行っている。
CAM の責任者である Jean-Michel Marechal氏はアップグレードによってもたらされた利点についてこう述べている。
「NCSIMUL の新シリーズに移行後は、以前よりもシミュレーションを行う回数が減りました。また新バージョンには新たな機能が加えられました。例えば、ソリッドモデリング機能は、素材の切削や機械動作をダイナミックに解析し、またシミュレーション中に様々な角度から観察することができます。エアバスメオルトの30名の従業員が、この新しいインターフェースに満足しています。我々の持つ6個の NCSIMULライセンスはフル稼働しています!」
同ソフトウェアは、ツールーズに拠点を持つACE チーム(エアバス-コンカレント-エンジニアリングチーム)によって主に使用されており、同社の他の生産拠点でも評価されている。
エアバス社と我々が協力することにより、ソフトウェアのバージョンアップがエアバス社に十分な利点を、短時間でもたらすことになったと言える。我々、スプリングの開発チームは航空機メーカーのノウハウと要望を、製品へと反映させたのだ。
この「ユニバーサルコントローラー」モジュールは、もともとは特注品の開発から出発し、今ではNCコントローラーの全タイプをサポートするNCSIMUL モジュールとなっている。
現在、エアバスフランス社の全ての工場でNCSIMUL が導入され、日々高まるシミュレーションの必要性に応えている。
最終更新日:2012-07-30
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NCネットワークについて