建設機械に使用される油圧配管部品には、強度と耐久性だけでなく、取り付け精度やシール面の美観も重要視されます。今回は、鉄製の油圧ブロック配管を支持・接続するブラケット部品について、TIG溶接による加工後の表面仕上げまでを一貫対応した事例を紹介します。

【製品概要】
・製品名：油圧ブロックの配管を支持・接続する鉄製ブラケット
・素材：鉄（スチール）
・板厚：50mm、9mm
・寸法：450×100×100mm
・業界：建設機械
・加工方法：レーザー切断加工・曲げ・TIG溶接・仕上げ加工

油圧ブロックに接続される重要な配管支持部品であり、固定時の強度と取り付け精度に加えて、気密性を確保するための仕上がり精度が求められました。

【設計と加工上の工夫】
油圧配管の通過箇所にはねじ切り加工が施され、溶接前に機械加工で精度を確保しています。固定時に干渉を避ける必要があるため、開先をとってしっかりとした溶接を実施しています。

・50mmの厚板をベースに使用し、耐荷重と強度を確保
・曲げ加工で部品形状を形成した後、TIG溶接で精度よく接合
・溶接部には開先をとり、深く強い溶接を実現
・TIG溶接によりスパッタの発生を抑制

【表面仕上げと精度確保】
配管の接続部分にあるシール面は、溶接後のスパッタや歪みが機能不良の原因になるため、以下のような仕上げ加工を行っています。

・溶接ビート部は全てグラインダーや仕上げ機械で均し処理
・シール面には特に注意を払い、手作業による仕上げも実施
・寸法精度：±0.5mm（実績）

外観だけでなく、実際の使用環境においても長期間の耐久性が求められるため、品質検査体制も強化されています。

【加工体制と応用事例】
このような油圧部品の加工に対応できる体制として、以下の設備と技術者が整備されています。

・ディスクレーザーによる厚板切断
・6軸ベンダーによる曲げ加工
・TIG溶接・ガスシールド溶接など複数の溶接方法
・三次元測定機、非接触測定器による精度検査

また、本事例のような構造は、以下のような応用分野でも活用されています。

〈応用例〉
・油圧ユニットの支持ブラケット
・建機フレーム部の補強プレート
・制御部収納ボックスの接合部
・高圧配管の固定具

【まとめ】
鉄製の油圧配管用ブラケットにおいて、厚板の切断・曲げ・TIG溶接から仕上げ加工までを一貫対応することで、高精度と美観の両立を実現しました。建設機械の信頼性を支える部品として、確かな技術と加工品質でお応えしています。少ロット・試作から量産まで幅広く対応可能です。

【お問い合わせ先】
株式会社岩本鉄工所
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