建設機械部品
アルミ材は軽量で耐食性に優れる一方、溶接時に歪みや熱変形が発生しやすい素材です。特に板厚が異なる部材を組み合わせる場合、入熱管理を誤ると形状が崩れやすく、精度を維持するには高い技術力が必要です。ここでは、A5052材を使用した特殊車両用カバーガードの製作事例を紹介します。リバースエンジニアリングによって再設計を行い、異板厚溶接における歪みを最小限に抑えた加工方法を採用しています。
【製品概要】
・製品名:特殊車両用カバーガード
・素材:アルミ(A5052)
・板厚:2.0mm、6.0mm
・業界:建設機械・特殊車両
・加工方法:レーザー切断・曲げ・TIG溶接・板金溶接・焼付塗装
・寸法:250×250×150mm
特殊車両に搭載されるカバーガードは、外部からの衝撃や飛来物を防ぎ、内部の機器を保護する役割を持ちます。本製品は軽量化と耐久性を両立するためにA5052を採用しました。7つの部品で構成され、異なる板厚の組み合わせによって剛性と軽さを両立しています。
【リバースエンジニアリングによる再設計】
既存品をもとにリバースエンジニアリングを実施しました。三次元測定機で現物形状をデータ化し、CAD上で再構築。構造や寸法を最適化して生産性を向上させています。
・現物からの3Dスキャンで精密データ化
・強度や剛性を維持しつつ軽量化設計
・溶接歪みを考慮した接合構造に変更
設計データが存在しない製品でも、現物から精度の高いモデルを作成できるため、再製作や改良が容易になります。
【異板厚溶接での課題と対策】
A5052は熱伝導率が高く、薄板溶接では熱が広がりやすいため、溶けすぎや歪みが発生しやすい素材です。特に2.0mmと6.0mmのように板厚差がある場合は、溶け込み量の調整が重要です。
・TIG溶接の電流と時間を精密に管理
・溶接方向と順番を最適化して入熱を分散
・仮組み時に治具を使用して変形を防止
これらの工夫により、薄板側が過剰に溶け込むことを防ぎ、強度と形状精度を両立しています。
【レーザー切断と曲げ加工による前加工】
溶接精度を高めるためには、事前の切断・曲げ加工の精度も重要です。レーザー切断では板厚ごとに条件を調整し、切断面の酸化や反りを抑制。曲げ加工では、角度公差±0.3°以内で加工し、組立精度を確保しています。
・ファイバーレーザーで高精度切断
・板厚に応じた曲げ条件設定
・仮組み確認で溶接時の位置ズレを防止
これにより、溶接前の各部材が精密に合致し、最終的な歪み抑制につながります。
【TIG溶接による高品質仕上げ】
TIG溶接はアークの安定性が高く、アルミ材に最適な溶接方法です。本製品では、薄板部の熱影響を抑えるため、短時間・低入熱で溶接しています。
・板厚ごとに条件を細かく調整
・溶接ビードの安定化で外観も美しく仕上げ
・最終歪み修正で平面度・平行度を確保
見た目の品質と構造強度の両方を満たす溶接を実現しました。
【塗装と表面仕上げ】
完成後は焼付塗装を施し、耐食性と外観品質を向上させています。塗装前には酸化被膜を除去し、密着性を確保。アルミ本来の耐食性に加え、塗膜による保護で長寿命化を図りました。
・焼付塗装で耐久性を強化
・酸化被膜除去で密着性を向上
・外観品質と機能性を両立
【まとめ】
本事例のA5052製カバーガードは、2.0mmと6.0mmの異なる板厚を組み合わせた溶接構造品です。TIG溶接の精密制御により、歪みを抑えながら高精度な形状を再現しました。さらに、リバースエンジニアリングによる設計再構築で、軽量化・高剛性・耐久性を実現しています。
異板厚アルミ溶接やリバース設計を活用した部品再製作を検討している方は、設計段階からのご相談にも対応しています。試作・改良・量産のいずれもお気軽にお問い合わせください。
【お問い合わせ先】
株式会社岩本鉄工所
石川県小松市吉竹町タ33番地
TEL:0761-22-1486
FAX:0761-21-7701
URL:https://www.tk-iwa.jp/
溶接板金加工.com:https://yousetsubankinkakou.com/
| 会社名 |
株式会社 岩本鉄工所 (いわもとてっこうしょ) |
エミダス会員番号 | 79122 |
|---|---|---|---|
| 国 | 日本 | 住所 |
日本 石川県 小松市 |
| 電話番号 | 0761-22-1486 | FAX番号 | 0761-21-7701 |
| 資本金 | 1,000 万円 | 年間売上高 | 48,100 万円 |
| 社員数 | 35人 | 担当者 | 岩本 純一 |
| 産業分類 | 工作機械 / 産業用機械 / 輸送機器 | ||
| 主要取引先 |
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