建設機械部品
建設機械に使用される油圧ジョイント部品は、高い耐圧性と寸法精度が求められる重要な構造部品です。今回は、板厚9.0mmのスチール材を用いた複雑形状の油圧ジョイント部品の加工事例を紹介します。厚板の曲げ加工と溶接を組み合わせ、キズやスパッタを防ぐ養生方法を採用することで、高品質な仕上がりを実現しています。
【製品概要】
・製品名:油圧ジョイント部品
・素材:鉄(スチール)
・板厚:9.0mm
・業界:建設機械
・加工方法:曲げ加工・溶接
・寸法:200×180×150mm
この製品は、建設機械の油圧系統で使用されるジョイント部品です。高圧の油を安定して供給するためには、漏れや歪みのない高精度な構造が必要となります。特に板厚9.0mmのスチール材は剛性が高く、精密な曲げと溶接の管理が欠かせません。
【厚板の複雑曲げ加工技術】
本製品は、複数箇所に曲げが入る複雑形状です。厚板での曲げ加工では、スプリングバック(戻り)や角度誤差が発生しやすく、精度維持が難しいのが特徴です。そこで、曲げ順序の最適化と金型選定を慎重に行い、最終寸法に対して高精度な角度出しを実現しています。
曲げ加工時には、
・ベンダー機による段階的な曲げ制御
・加圧位置とトン数の調整
・角度センサーを用いたリアルタイム補正
を行い、曲げ後のばらつきを最小限に抑えています。
【溶接時の養生と外観品質管理】
厚板の溶接では、熱による歪みやスパッタの付着が品質に大きく影響します。特に建設機械部品では外観も重視されるため、スパッタ防止とキズ防止のための養生が重要です。
本製品では、溶接部周辺に専用のキャップを取り付け、アーク熱やスパッタが他の部位に付着しないよう保護しています。また、部品表面には耐熱性シートを使用し、溶接中の熱変色や表面損傷を防いでいます。
・溶接箇所を養生キャップで保護
・スパッタ付着防止用シートを併用
・溶接後にバリ・酸化膜を除去し外観を整える
これにより、溶接後の磨き工程を最小限に抑えながら、美観と品質を両立しました。
【溶接精度を支える管理体制】
溶接工程では、熱入力を一定に保つために電流・電圧・速度を厳密に管理しています。特に板厚9mmのスチールでは溶け込み量が品質に直結するため、溶接条件を数値化して標準化しています。熟練溶接技術者による手動溶接と自動溶接機の併用により、安定した品質を維持しています。
さらに、溶接後には歪み測定と寸法検査を実施。必要に応じて矯正工程を行い、溶接による変形を補正します。
・溶接条件の数値管理と記録
・歪み測定による寸法確認
・矯正治具による歪み補正
これらの取り組みにより、寸法公差±0.3mm以内という厳しい要求にも対応しています。
【建設機械分野での応用とメリット】
油圧ジョイント部品は、ショベルカーやクレーンなど多様な建設機械に搭載されます。油圧ラインの圧力を保持するためには、部品全体の剛性と気密性が不可欠です。今回の加工技術は、強度が必要な厚板構造でも高い寸法精度と耐久性を実現できる点で評価されています。
また、部品設計段階からの加工相談にも対応し、製造コストと生産性のバランスを最適化する提案を行っています。
・溶接後の仕上げ工数を削減
・治具レスでの溶接精度確保
・高強度・高剛性部品の安定供給
これにより、試作から量産まで一貫した対応が可能となっています。
【まとめ】
今回の油圧ジョイント部品は、厚板スチールの複雑な曲げ加工と溶接を組み合わせ、養生キャップを用いて外観品質を保ちながら高精度な製品を実現しました。建設機械などの厳しい使用環境でも長期間安定して機能する構造であり、品質と生産効率の両面から優れた事例といえます。厚板や複雑形状の溶接構造品でお困りの際は、ぜひご相談ください。
【お問い合わせ先】
株式会社岩本鉄工所
石川県小松市吉竹町タ33番地
TEL:0761-22-1486
FAX:0761-21-7701
URL:https://www.tk-iwa.jp/
溶接板金加工.com:https://yousetsubankinkakou.com/
| 会社名 |
株式会社 岩本鉄工所 (いわもとてっこうしょ) |
エミダス会員番号 | 79122 |
|---|---|---|---|
| 国 | 日本 | 住所 |
日本 石川県 小松市 |
| 電話番号 | 0761-22-1486 | FAX番号 | 0761-21-7701 |
| 資本金 | 1,000 万円 | 年間売上高 | 48,100 万円 |
| 社員数 | 35人 | 担当者 | 岩本 純一 |
| 産業分類 | 工作機械 / 産業用機械 / 輸送機器 | ||
| 主要取引先 |
|
||
コンテンツについて
サービスについて
NCネットワークについて
