アルマイト指示がある場合、処理前の加工寸法はどのように設定していますか？
正解は「アルマイト膜厚が 10μなら、普通に 10μずらす」ではありません。
寸法を設定する前に、アルマイトの特性について知っておきましょう。

①成長被膜と浸透被膜
　アルマイトは、アルミ表層から上に生成される 『成長被膜』 と、
　アルミ表層から下に生成される 『浸透被膜』 があります。
　【　成長被膜　：　浸透被膜　≒　1　：　1　】
　　例） 膜厚 10μ　→　成長被膜 5μ　＋　浸透被膜 5μ
　　　　　径で 10μの寸法変化が起こると考えます。
　
②膜厚にはバラツキがある
　アルマイトにも寸法公差が存在します。
　一般的にはプラスマイナス 20%の膜厚バラツキが発生。
　　例） 膜厚 10μ　→　8～12μ　（4μのバラツキ）

これをもとに加工寸法を設定してみましょう。
　　例） 完成　　　 ： φ20 （+0.02/+0.01）
　　　　 アルマイト ： 10～20μ

図面指示が上記の場合、完成公差＝膜厚バラツキとなっているため
加工公差がゼロになってしまいます。

ちなみに、膜厚レンジの指定がない場合、膜厚バラツキを考慮すると
　10μ → ± 2μ
　20μ → ± 4μ
となるので、加工公差はそれぞれ 6μ、2μとなります。

加工できます？笑

安易に加工可能と回答しないで、しっかり計算をしてみましょう。



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