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調質(大気焼入れ・焼き戻し) って何?効果・目的・部品用途・ポイント・特性・特徴・注意点まで - 熱処理のプロが解説
あなたの会社の部品、もしかして「もうちょっと頑丈にならんかなぁ」と思われとるんじゃないでしょうか?そんなお悩みを解決する技術の一つが「調質」です。今回は、私たち光陽産業の熱処理担当が、調質加工についてわかりやすく解説させていただきます。
■ 調質って何?基本のキホン
調質とは、「焼入れ」と「焼戻し」という2つの熱処理を組み合わせて行う加工方法です。
加熱と冷却を組み合わせることで、鋼の強度を向上させることが可能です。
例えば、皆さんの身近なところでいうと、金づちやペンチなどの工具類。これらは調質加工によって、硬くて粘り強い性質を持たせています。工具として使える強度と、折れにくい粘り強さ、この相反する性質を両立させているのが調質なんです。
【調質の主な効果】
・硬度アップ:表面が硬くなり、傷つきにくくなります
・強度アップ:荷重に対する耐久性が向上します
・靭性アップ:衝撃に強くなり、割れにくくなります
・寸法安定性:熱による変形が起こりにくくなります
■ なぜ調質が必要なの?
「うちの製品は普通の鉄でええんじゃない?」そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。でも、ちょっと待ってください。
例えば、自動車のエンジン部品。高温で常に振動にさらされる過酷な環境で使用されます。単なる鉄では、すぐに摩耗したり、疲労で壊れたりしてしまいます。それを防ぐために、調質加工で金属の性質を改善するんです。
【調質が必要な典型的なケース】
・繰り返し荷重がかかる部品
・高温環境で使用される部品
・摩擦や摩耗が発生する部品
・衝撃が加わる可能性がある部品
■ 焼入れ工程のポイント
調質の最初のステップである焼入れ。これは金属をオーステナイト化する温度(約800~900℃)まで加熱し、その後急冷する工程です。
「ほんまに800度も必要なん?」と思われるかもしれません。実は、この高温まで上げることに重要な意味があります。金属の結晶構造を変化させ、より強い構造に作り変えるために必要な温度なんです。
【焼入れのコツ】
・適切な温度管理:材質によって最適な温度が異なります
・均一な加熱:部分的な加熱むらは欠陥の原因に
・適切な冷却速度:急すぎても遅すぎても×
■ 焼戻し工程のポイント
続いて行う焼戻し工程。これは焼入れした材料を比較的低い温度(150~650℃)で再加熱する工程です。
「せっかく焼入れで硬くしたのに、また熱を加えるの?」そう思われるかもしれません。実は、焼入れだけでは材料が硬すぎて脆くなってしまうんです。焼戻しによって、適度な粘り強さを持たせることができます。
【焼戻し温度と特性の関係】
・150~250℃:高い硬度を維持したまま、残留応力を除去
・350~450℃:適度な硬度と靭性のバランスを実現
・550~650℃:靭性重視の処理が可能
■ 光陽産業の調質加工の特徴
私たち光陽産業では、長年の経験と最新の設備を組み合わせて、高品質な調質加工を提供しています。
【当社の強み】
1. 熟練の技術者による品質管理
- スタッフが熱処理技能士の資格保有
- 各炉に専属オペレーターを配置
- 豊富な経験に基づく最適条件の提案
2. 充実した設備
- 多様な小型炉をラインナップ
- 素材や目的に応じた最適な炉の選択が可能
- 温度管理・雰囲気管理の徹底
3. フレキシブルな対応
- 多品種小ロット・単発部品にも対応
- 超短納期での加工が可能
- お客様のニーズに合わせた柔軟な提案
「うちの部品、こんな特殊な形状でも大丈夫?」「この材質で調質できるの?」といったご相談も大歓迎です。まずはお気軽にご相談ください。
■ 調質加工の注意点
調質加工は非常に効果的な処理ですが、いくつか注意点もあります。
【主な注意点】
・材質による制限:すべての金属材料に適用できるわけではありません
・寸法変化:わずかですが、熱処理による寸法変化が生じる可能性があります
・表面状態:酸化などによる表面状態の変化に注意が必要です
・コスト:追加工程となるため、コストへの影響を考慮する必要があります
これらの注意点については、私たちの経験を活かして最適な対策をご提案させていただきます。
■ よくあるご質問
Q:調質加工にどれくらいの時間がかかりますか?
A:標準的な処理で2~3日程度です。ただし、緊急の場合は超短納期での対応も可能ですので、ご相談ください。
Q:小ロットでも対応可能ですか?
A:はい、1個からでも承っております。多品種小ロット生産に対応した設備を整えています。
Q:費用の目安を教えてください。
A:材質、サイズ、数量、要求される性能などによって異なります。まずはお見積りをご依頼ください。
■ まとめ
調質加工は、金属部品の性能を大きく向上させる重要な熱処理技術です。私たち光陽産業は、お客様の製品価値向上のために、確かな技術と経験で最適な調質加工をご提供いたします。
以上、
調質(大気焼入れ・焼き戻し) って何?効果・目的・部品用途・ポイント・特性・特徴・注意点まで - 熱処理のプロとして解説させていただきました。
製品の品質向上でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。経験豊富な技術者が、最適な解決策をご提案させていただきます。
▽処理可能サイズ▽
1,200W × 2,000L × 600H(焼入・焼戻炉【バッチ炉】)
▽対応重量▽
~2,000Kgまで
少量、一個からでも短納期でお受け致します。
▽適用材質・素材実績▽
(鋼種:材料記号)
機械構造用炭素鋼:S35C,S38C,S43C,S45C,S48C,S50C,S53C,S55C
アルミニウムクロムモリブデン鋼:SACM645
クロムモリブデン鋼:SCM415,SCM420,SCM435,SCM440
ニッケルクロム鋼:SNC631
ニッケルクロムモリブデン鋼:SNCM220,SNCM420,SNCM439,SNCM447
耐熱鋼:SUH3
ステンレス鋼(マルテンサイト系):SUS403,SUS440C,SUS420J2
ステンレス鋼(オーステナイト系):SUS304,SUS316
ステンレス鋼(析出硬化系):SUS630
※実際の熱処理においては、材料の状態や要求される特性、サイズ・形状などの条件によって適用可否が変わる場合がありますので、具体的な案件については個別回答させていただきます。
▽納期目安▽
翌日~中1営業日
▽事例紹介▽
事例ページURL準備中
【会社概要】
社名:光陽産業株式会社
住所:〒714-0005 岡山県笠岡市新賀777
TEL:0865-65-1555
FAX:0865-65-1560
コーポレートサイト:http://www.koyosangyo.com/
技術相談・見積依頼:https://ja.nc-net.or.jp/company/73980/inquiry/
会社名 |
光陽産業株式会社 (こうようさんぎょう) |
エミダス会員番号 | 73980 |
---|---|---|---|
国 | 日本 | 住所 |
日本 岡山県 笠岡市 |
電話番号 | 0865-65-1555 | FAX番号 | 0865-65-1560 |
資本金 | 4,950 万円 | 年間売上高 | 250,000 万円 |
社員数 | 99人 | 担当者 | 来山 尊 |
産業分類 | 産業用機械 / 建築土木資材 / 輸送機器 |
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