現場から伝える板金加工も仕事内容　（設計編）

今回は板金加工工場の設計の仕事内容をご紹介していきます。

★設計の仕事とは？
１．要件の把握: まず、製品や部品の用途や要件を理解し、顧客からの要求事項や仕様書を確認します。これには、形状、寸法、材料、機能などが含まれます。

２．設計の検討: 製品の目的や要件に基づいて、最適な設計を考案します。これには、製品の機能や形状、構造、材料選定などが含まれます。また、製品の寿命、コスト、製造プロセスの効率性なども考慮されます。

３．CADソフトウェアを使用した図面作成: 製品や部品の設計図を作成します。CAD（コンピュータ支援設計）ソフトウェアを使用して、正確な寸法や形状を持つ図面を作成します。これには、3次元モデリングや2次元図面の作成が含まれます。

4.製造プロセスの検討: 製品や部品の加工方法を検討し、最適な製造プロセスを選択します。板金加工においては、曲げ加工や切断、溶接などの加工方法が検討されます。

5.詳細な検討と改訂: 設計図が作成された後、詳細な検討が行われます。必要に応じて、設計の修正や改訂が行われます。

6.試作タイプの製作とテスト: 最終的な設計図をもとに、実際の製品の試作タイプを製作し、機能や耐久性などをテストします。必要に応じて、設計の修正や改良が行われます。
顧客に確認を取ってから量産加工を行っていきます。

以上の作業を通じて、製品や部品の設計が行われます。設計者は、製品の機能性、効率性、安全性などを確保しながら、製品の要件に応じた最適な設計を実現する役割を担います。

★設計の仕事で使用する機械（ソフト）
1.CADソフトウェア: CAD（Computer-Aided Design）ソフトウェアは、製品や部品の3次元モデリングや2次元図面の作成に使用されます。代表的なCADソフトウェアには、AutoCAD、SolidWorks、CATIA、Inventorなどがあります。

2.CAMソフトウェア: CAM（Computer-Aided Manufacturing）ソフトウェアは、CADモデルから加工プログラムを生成するために使用されます。これにより、CNC（Computer Numerical Control）機械での加工作業が自動化されます。代表的なCAMソフトウェアには、Mastercam、Fusion 360、EdgeCAMなどがあります。

3.計測器具: 製品や部品の寸法を測定するための計測器具が使用されます。これには、ミクロメーター、キャリパー、高さゲージ、測定マシン（CMM）などが含まれます。

4.シミュレーションソフトウェア: 製品の強度や応力解析、衝突検証などのシミュレーションを行うためのソフトウェアが使用されることがあります。これにより、設計の検証や最適化が行われます。代表的なシミュレーションソフトウェアには、ANSYS、ABAQUS、Nastranなどがあります。

これらの機械やツールは、設計者が製品や部品の設計を効率的かつ正確に行うために重要な役割を果たします。設計者はこれらのツールを活用して、製品の形状や寸法、材料、製造プロセスなどを詳細に検討し、最適な設計を実現します。

★設計の仕事で必要な資格は？
板金加工の設計業務に特化した専門的な資格は、一般的には「板金設計技能検定」などの関連する資格があります。しかし、このような資格が法的に必要とされるわけではなく、設計業務に従事するための法的な要件は一般的にありません。代わりに、設計者が必要とされるスキルや知識を持っていることが重要です。

板金加工の設計業務に従事するためには、以下のようなスキルや知識が必要です。

1.CAD/CAMソフトウェアの使用能力: 設計図の作成や加工プログラムの生成に必要なCAD/CAMソフトウェアの使用能力が必要です。

2.製品や部品の設計経験: 関連する製品や部品の設計経験があり、設計プロセスや機械要素に精通していることが重要です。

3.材料や製造プロセスの知識: 材料の特性や製造プロセスに関する知識があり、それらを設計に適用できる能力が必要です。

4.コミュニケーション能力: チーム内での意見交換や顧客とのコミュニケーションが円滑に行える能力が求められます。

5.問題解決能力: 設計上の問題に対処し、効果的な解決策を見つける能力が必要です。

★まとめ
基本的には、CADを使い顧客の要望に沿ったものを作成します。
CADソフトを使いこなす技術が必要不可欠になってきます。
設計後のレーザー加工や曲げ加工といった後工程の部署との連携も必要になってくるのと、ある程度後工程の業務の知識も必要になってきます。