SUS316は耐食性・耐熱性に優れるステンレス鋼材であり、化学プラントや海洋機器、食品機械など幅広い分野で採用されています。しかし、その高い強度と加工硬化性により「難削材」とされ、一般的な加工では工具摩耗や加工変形といった課題が発生します。竹中機械製作所では、SUS316材を使用したフランジ加工において、こうした難加工条件をクリアする高精度な製造技術を確立しています。

【SUS316フランジ加工の事例紹介】
竹中機械製作所では、SUS316材を用いたフランジ（外径310mm、厚さ78mm）の加工実績があります。この製品は、同心度および平行度において0.03mm以内という厳しい公差要求をクリアしており、精密度が求められる機器への組込に対応可能です。加工精度0.001〜0.05mmという高い要求に応えるため、自社保有のDMG MORI社製5軸複合加工機や高精度NC旋盤を駆使し、形状保持と寸法精度を両立させています。

【難削材対応への工夫】
SUS316の加工時には以下の工夫を行っています。
・切削工具の選定：耐摩耗性に優れる超硬工具やコーティング工具を使用
・クーラント管理：オイルクーラントによる工具冷却と切削抵抗低減
・切削条件の最適化：低速回転と適正送りによる加工硬化の抑制
・多軸加工機活用：5軸複合加工機によるワンチャッキング加工で段取り回数を削減し、加工誤差の累積を防止

これらにより、SUS316の課題とされる工具寿命の短さや加工変形、熱膨張による寸法ずれを防止し、安定した加工品質を実現しています。

【測定と品質保証体制】
製品完成後はCNC三次元測定器や真円度・輪郭形状測定器を用いて厳密な測定を実施し、公差内への収まりを保証しています。特に同心度や平行度といった重要寸法については、記録データとしてお客様に提出可能です。

【対応範囲とロット】
SUS316を含む難削材加工については、1個からの試作、小ロット（100個程度）まで対応可能です。全長測定350φ〜550φ、中小径（200φ未満）も対応し、幅広いサイズの加工実績があります。自動車、半導体、プラント、化学機器など多様な業界向けの部品供給実績もございます。

【SUS316以外の難削材にも対応】
マグネシウムを除くほぼすべての金属材質に対応しており、SCM420HやS45C、SUS304、A6061-T6など様々な材料の加工実績も有します。材質特性に応じた工具選定や加工条件の最適化ノウハウを蓄積しています。

【SUS316難削材加工のまとめ】
・外径310mm、厚さ78mmのフランジ加工実績
・同心度・平行度0.03mm以内の高精度保証
・5軸複合加工機・NC旋盤による多面加工
・CNC三次元測定器等による厳密な品質保証
・1個から1000個まで柔軟なロット対応
・自動車、半導体、プラント、化学機器向け納入実績

難削材SUS316の精密加工をご検討の際は、お気軽にご相談ください。

【お問い合わせ先】
株式会社竹中機械製作所
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