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【加工精度を支える「振れ精度」とは?】
スピンドルの振れ精度は、高精度な切削加工を行ううえで最も重要な要素の一つです。「芯振れ」や「回転軸のブレ」とも表現され、主軸が回転する際に発生する微細なズレのことを指します。わずか数ミクロンの振れが、製品の仕上がりや寸法精度、歩留まりに大きな影響を及ぼすため、特に微細加工や小径工具を用いる現場では、その精度管理が生産性と品質の要になります。
【測定には何を使う?振れ精度のチェック方法】
振れ精度はダイヤルゲージや非接触型のレーザー測定機を用いて評価します。測定対象はスピンドルのコレット部やチャック部で、工具を装着した状態と装着しない状態の両方を確認するのが理想的です。一般的な許容値は10μm以内ですが、医療や航空部品などの高精度分野では3μm以下が求められることもあります。測定環境の温度や機械の剛性も測定値に影響を与えるため、安定した測定環境が必要です。
【振れ精度に影響する構成要素とは】
スピンドルの振れ精度を左右する要因は多岐にわたります。例えば、工具の把握方式(コレットチャックや油圧チャック)や取付け面の清浄度、さらにスピンドルベアリングの精度や構造剛性などが密接に関係します。特に小径工具を使用する際には、わずかな工具の偏心でも大きな仕上がり誤差に繋がるため、振れを抑える設計と構造が重要になります。
【高精度スピンドルがもたらす加工の違い】
最新の高精度スピンドルでは、3μm以内という極めて小さな振れ精度を実現しており、微細穴加工や小径エンドミル加工においてその真価を発揮します。たとえば回転数24,000min-1以上を実現するスピンドルであれば、従来よりも高速かつ高精度な加工が可能となり、加工時間の短縮や歩留まりの改善に直結します。特に軸受部の構造に高精度ベアリングとギア機構を組み合わせた設計は、振動の発生を抑え、安定した回転を可能にします。
【設計思想が精度をつくる】
極小径工具を使った高精度加工では、スピンドルの設計思想が製品精度を決定づけます。例えば、本体長を標準より長く設計することで、刃物の突出しを抑え、剛性を確保するアプローチは有効です。また、機械本体との動力連結部においても、高い同心度が維持される構造とすることで、取り付け時の誤差を最小限に抑えることができます。これにより繰り返し取り外しても精度が安定し、高い再現性を持った加工が可能になります。
【豆知識:振れ精度はどこまで追求されている?】
実際、現在の最先端加工現場では1μm以下の振れを求めるケースも存在します。特に人工関節や歯科インプラントのような医療用途や、半導体製造装置向けの部品では、加工精度が製品の性能に直結するため、極限までの精度追求が行われています。そのため、スピンドル単体だけでなく、工具、チャック、機械剛性、温度管理までも含めたトータルでの最適化が重要となります。
【まとめ】
スピンドルの振れ精度は、切削加工の品質を左右する要となる性能です。適切な測定と管理に加え、設計思想そのものが高精度加工を実現するカギとなります。3μm以下の振れ精度を実現する高精度スピンドルを選定・導入することで、より高度な加工が可能となり、生産性と品質を同時に向上させることができます。今後もスピンドル技術の進化から目が離せません。
◆スズキプレシオンの取り組み
スズキプレシオンが開発・製造する「アイビー・スピンドル」は、振れ精度3μm以内という高精度を実現した4倍速回転工具です。既存のCNC自動旋盤にそのまま装着でき、コントローラや外部電源を必要とせずに最大40,000min-1までの高速回転を可能にします。特筆すべきは、標準スピンドルと比較して工具突出し量を抑える設計と、ISO13485認証の品質管理体制による安定した製品精度です。これにより、微細加工における仕上がり精度と歩留まりの向上に大きく貢献しています。国内外で累計6,000台以上の出荷実績を誇る本製品は、医療、自動車、航空・電子分野において多くのユーザーに信頼され、精密加工の限界に挑む現場で不可欠な存在となっています。スズキプレシオンはこれからも、現場発想のものづくりを通じて、高精度加工の未来を支えていきます。
【企業情報】
株式会社スズキプレシオン
所在地:〒322-0251 栃木県鹿沼市野尻113番地2
TEL:0289-65-6001
FAX:0289-62-8084
HP:https://www.precion.co.jp/
| 会社名 |
株式会社 スズキプレシオン (すずきぷれしおん) |
エミダス会員番号 | 46376 |
|---|---|---|---|
| 国 | 日本 | 住所 |
日本 栃木県 鹿沼市野尻 |
| 電話番号 | 0289-65-6001 | FAX番号 | 0289-62-8084 |
| 資本金 | 3,000 万円 | 年間売上高 | 100,000 万円 |
| 社員数 | 48人 | 担当者 | 麦島 佳弘 |
| 産業分類 | 工作機械 | ||
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