製品形状が複雑になるにつれ、従来の三軸加工では対応が難しい「アンダーカット形状」が増えています。特に設計自由度が求められる試作や意匠モデルでは、アンダーカットへの対応力が加工品質を大きく左右します。一古田製作所では、五軸マシニングセンタを活用し、こうした複雑形状への切削対応を実現しています。

◇アンダーカット加工とは？
アンダーカットとは、上からの直進加工では工具が届かない内向き形状や逆勾配形状のことを指します。加工には角度をつけたアプローチが必要となるため、五軸制御などの高度な加工技術が求められます。複雑な構造でも一体加工が可能です。

◇製品詳細
・対応形状：逆テーパー、内向き曲面、中空逆勾配など
・使用設備：DMG MORI製 五軸マシニングセンタ（DMU100 monoBLOCK）
・対応サイズ：最大X1000×Y800×Z600mm
・対応素材：ABS、レジン、MCナイロン、S50C、A2017ほか

◇特長
・五軸加工によって段取り回数を削減し、精度を向上
・CAMによる干渉検証で安全かつ効率的な加工経路を設計
・複数面を同時に加工することで、面ズレを最小限に抑制
・三次元測定機による検査報告書の発行も可能

◇使用例
・自動車部品の通気・排水用内部構造モデル
・衛生陶器や家電の意匠モデルにおける曲面形状
・治具部品における挿入部の逆勾配形状
・鋳造モデルにおける中子構造との嵌合検証モデル

◇加工方法
三次元CADでアンダーカット形状を設計後、CAMにて加工経路を作成。五軸マシニングセンタにて工具の角度と姿勢を調整しながら同時5軸制御で切削を実施。工具干渉や工具長の制限も事前にシミュレーションで検証し、安全かつ高精度な加工を実現します。

◇取組み
アンダーカット特有の加工課題に対して、加工方向の分割や専用治具の設計提案も実施。干渉しやすい箇所では専用工具や段階的加工による対応で形状再現性を高めています。経験豊富なオペレーターがCAMと連携し、確実な品質確保を行います。

◇まとめ
アンダーカット加工は、設計自由度と意匠性の両立を図るうえで重要な加工技術です。一古田製作所では、五軸マシニングによる複雑形状対応力と、検査・納品まで一貫した対応体制により、難加工の課題にも応えています。特殊形状でお困りの際は、ぜひお問い合わせください。

◆企業情報
有限会社一古田製作所
〒474-0011 愛知県大府市横根町名高山84-9
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