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部品を小さく軽くしようとすると、肉厚を薄くしたり、細い穴を設けたりする設計が増えていきます。樹脂の場合、薄くした部分は削る力でたわみやすく、細い穴は刃物が折れたり曲がったりしやすいため、形状の難しさがそのまま加工の難しさにつながります。高温や熱水にさらされる環境では材料の選択肢も限られ、加工しやすさだけで素材を決めることはできません。
厳しい使用条件と難しい形状が重なる部品は、材料のグレード選びから加工方法までを一緒に考えられるメーカーに相談するのが近道です。この記事では、PEEKをNC旋盤で加工した薄物部品を例に、厚さ0.5mmの楕円部とφ2の細穴を仕上げるポイント、用途に合わせたグレードの考え方、相談時に整理しておきたい条件を紹介します。
【技術・製品概要】
PEEKは、耐熱温度が250℃、耐熱水性が200〜250℃とされる高機能樹脂です。耐薬品性や機械的強度、寸法安定性にも優れ、宇宙・航空や食品ライン、半導体・液晶製造装置の部品などに使われています。通常のグレードのほか、導電性グレードや摺動グレードもあり、用途に応じて選べる点も特徴です。
今回の加工品は、PEEKをNC旋盤で加工した薄物部品です。楕円形の部分は厚さ0.5mmと薄く、中央にはφ2・深さ9mmの穴を2か所設けています。
〈製品概要〉
・材質:PEEK
・加工方法:NC旋盤による切削加工
・主な形状:厚さ0.5mmの楕円形部分、φ2・深さ9mmの穴(2か所)
・精度:0.1mm〜1/100mm
【特長・技術ポイント】
〈厚さ0.5mmの楕円部を削り出す〉
この部品で最も難しいのは、厚さ0.5mmの楕円形の部分です。肉厚が薄いほど、刃物が当たったときの力で材料が逃げたり反ったりしやすくなります。削る量や刃物の当て方を考えながら加工を進め、薄い形状のまま寸法を保つよう仕上げています。
〈φ2・深さ9mmの細穴を2か所加工〉
中央には、径2mmに対して深さ9mmの穴を2か所あけています。径が小さい穴は工具も細くなるため、深く進むほど工具が振れたり切りくずが詰まったりしやすくなります。こうした点に配慮し、工夫しながら穴を加工しました。
〈薄肉部と穴の位置関係を保つ〉
薄い楕円部と、中央の2つの穴は一つの部品の中で位置関係がそろっている必要があります。薄肉部を先に仕上げると穴加工の際に変形しやすく、穴を先にあけると薄肉部の加工に影響が出ることもあります。形状全体のバランスを見ながら工程を組むことが、仕上がりの精度につながります。
〈熱水や高温にも使えるPEEKの耐久性〉
PEEKは高い温度だけでなく、熱水に対しても強い樹脂です。お湯や蒸気に触れると劣化しやすい樹脂が多いなかで、200〜250℃の耐熱水性を持つことは大きな特徴といえます。寸法安定性にも優れるため、薄く細かな形状でも使用中の寸法変化を抑えやすくなります。
【活用例】
〈熱水や蒸気が通る機器の小型部品〉
熱水を扱う機器や、蒸気で洗浄・殺菌する設備の内部で、薄く軽い部品として使う方法が考えられます。細い穴を流路や位置決め用の穴として利用すれば、機能をコンパクトにまとめることもできます。
〈静電気対策が必要な部品〉
導電性グレードを選べば、静電気を逃がしたい箇所の部品としても検討できます。薄い形状や細穴を持つ部品でも、グレードを変えることで使用環境に合わせた材料選びが可能です。
〈擦れ合う部分を持つ薄物部品〉
摺動グレードを使えば、ほかの部品と擦れ合う箇所での摩耗を抑えたい用途にも対応しやすくなります。薄く軽い形状と摺動性を両立させたい場合の選択肢になります。
【判断軸・導入メリット】
薄肉や細穴を持つ部品は、形状の条件によって加工の進め方や実現できる寸法が変わります。あわせて、PEEKはグレードの選び方で性能が変わるため、使い方を具体的に伝えることが大切です。相談の際は、次のような情報を整理しておくと検討が進みやすくなります。
・材質とグレード:通常のPEEKか、導電性や摺動など特定のグレードが必要か
・形状・寸法と図面の有無:薄肉部の厚さ、穴の径と深さ、穴の数と位置(dxfやSTEPなどのデータ)
・仕上がり条件:薄肉部や穴位置の公差、重視する寸法
・使用環境:使用温度、熱水や蒸気・薬品に触れるか、静電気対策の要否
・相手部品:組み合わせる部品の材質や、擦れ合う部分の有無
・数量と納期:1個の試作か、量産やリピートを見込むか
株式会社ヤマデンは、汎用樹脂からスーパーエンプラまで幅広い素材の切削に対応し、微細穴あけや複雑形状の加工実績を持っています。多くの樹脂材料メーカーと長年の取引があり、入手しにくい素材の調達にも対応しているため、グレードの選定から相談できます。
【まとめ】
薄肉や細穴を持つ樹脂部品は、たわみや工具の振れを抑えながら形状全体のバランスを保つ加工が求められます。今回のPEEK部品では、厚さ0.5mmの楕円部と、φ2・深さ9mmの穴2か所を、工程を工夫しながらNC旋盤で仕上げました。耐熱性や耐熱水性に優れ、用途に応じてグレードも選べるPEEKは、厳しい環境で使う小型部品に適した材料です。
製作を検討する際は、薄肉部の厚さや穴の寸法とともに、使用温度や熱水・薬品への接触、必要なグレードを整理しておくと、材料と加工の両面から具体的な相談につながります。
【お問い合わせ先】
株式会社ヤマデン
〒192-0375 東京都八王子市鑓水2丁目174-3
TEL:042-682-2811
URL:https://yamaden-ltd.co.jp/
| 会社名 |
株式会社ヤマデン (旧:山口電材 株式会社) (やまでん) |
エミダス会員番号 | 3083 |
|---|---|---|---|
| 国 | 日本 | 住所 |
日本 東京都 八王子市 |
| 電話番号 | 042-682-2811 | FAX番号 | 042-682-2815 |
| 資本金 | 4,000 万円 | 年間売上高 | 434,000 万円 |
| 社員数 | 228人 | 担当者 | 朝比奈 勇一 |
| 産業分類 | 測定機械 / 産業用機械 / 医療機器 | ||
| 主要取引先 |
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