良質なめっきを実現するためには、「前処理工程」「液管理」「治具管理」の3つが非常に重要です。これらを徹底的に管理しなければ、めっき不良の原因となります。

◇前処理工程
前処理は、製品表面のすべての妨害要因を取り除き、活性化する作業です。まず、電解脱脂や浸漬脱脂を行い、製品表面に付着した油脂や汚れを徹底的に除去します。次に、酸電解洗浄では、硫酸や塩酸などの酸性溶液に金属製品を浸漬し、電流を流すことで、錆やスケール（酸化被膜）、溶接焼けを取り除きます。この工程でスマット（炭素やケイ素などの不純物）が発生する場合があるため、プラス電解などのスマット除去工程も欠かせません。さらに、めっき直前には、ごく薄い酸化膜を除去して、活性化した素地表面を整えます。

◇液管理
液管理とは、アルカリ脱脂液、酸洗浄液、めっき液など、使用する液体の濃度、温度、不純物量を最適に維持することを指します。このため、日常的に液体の分析や液温の管理を行い、槽内に不純物が混入しないよう注意を払うことが重要です。

◇治具管理
治具管理は、劣化した治具のメンテナンスや、治具に付着しためっきの剥離を行うことです。劣化した治具を使用し続けると、膜厚不足やめっきムラなどの不良が発生する原因になります。お客様の多種多様な製品に対応する治具を使用するためにも、日々のメンテナンスが欠かせません。