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【設計精度が未来を左右する薄肉・複雑形状金型】
設計段階での判断が品質と直結する薄肉・複雑形状の金型設計は、極めて高い精度とノウハウが求められる分野です。反りや変形のリスクをいかに抑えるかが、製品性能とコストに直結するため、経験に基づいた設計配慮が欠かせません。本記事では、現場目線から見た設計上の3つの重要視点と最新の設計アプローチをご紹介します。
【視点①:材料特性を踏まえた肉厚設計】
薄肉成形では、わずかな肉厚変化が製品強度や冷却効率に大きく影響します。樹脂素材の流動性や収縮率、冷却時の応力などを踏まえ、肉厚分布を均一化する設計が不可欠です。特に、エンボスやリブなどの細部構造は、強度を保ちながら成形性を損なわない絶妙な厚み設定が求められます。近年では、CAE解析による樹脂流動シミュレーションが活用され、設計段階で反りやショートショットのリスク評価が行われています。
【視点②:離型性と反り抑制を両立させる構造工夫】
複雑形状製品では、アンダーカットや極端な凹凸部により離型性が悪化するケースもあります。そのため、製品形状の自由度を保ちつつ、金型側でのスライド機構や入子分割、R形状への変更などでスムーズな離型性を実現する構造配慮が重要です。また、成形収縮に伴う応力集中が反りの原因となるため、冷却回路の最適設計も設計初期から検討されます。熱バランスに優れた冷却レイアウトが、寸法安定性のカギを握ります。
【視点③:生産性を高める金型構造と加工性のバランス】
金型は製品を量産するための“生産設備”であり、射出成形機に合わせた高サイクル対応が求められます。そのためには、型構造の剛性確保や均一冷却を図るだけでなく、メンテナンス性や修正対応のしやすさも設計段階で織り込む必要があります。特に、放電加工や5軸加工による部品製作が前提となる複雑形状では、製作現場の加工性を加味したモデリングが、設計者の腕の見せ所です。最近では、金型内部の流路を3Dプリンティングで形成する金属積層技術(AM)も一部で実用化され始めており、冷却性能の飛躍的向上とともに、設計自由度が拡大しています。
【まとめ】
薄肉・複雑形状の金型設計は、高度な設計力と製造現場との密な連携によって成り立つ技術領域です。材料特性を踏まえた肉厚設計、離型性と反り抑制を両立する構造設計、生産性と加工性を両立する合理設計という3つの視点を押さえることで、より高性能で高効率な金型製作が可能になります。設計段階からの最適化が、製品品質と生産性の未来を左右すると言えるでしょう。
◆松江鉄工所の取り組み
薄肉・複雑形状の金型設計に求められる高度な技術と精度に対し、松江鉄工所は100年以上の歴史と実績を活かし、独自の設計手法と加工技術で応えています。1300トン対応の大型射出成形金型や精密な電子部品用金型まで手掛ける幅広い対応力を持ち、設計から試作、トライ成形までを一貫して社内で完結できる体制を整えています。特に、5軸マシニングセンタや高精度放電加工機などの先進設備を駆使し、薄肉部品の変形を防ぐ冷却回路設計や構造剛性の最適化を実現。また、CAE解析や3D CADを活用した設計段階でのリスク予測により、反りや収縮といった課題への先手対応を可能にしています。松江鉄工所の設計と製造の融合力は、金型精度と成形効率の両立を求める現場において大きな価値を提供します。
【企業情報】
株式会社 松江鉄工所
所在地:愛知県 西尾市 江原町柳原78
TEL:0563-52-1611
FAX:0563-52-1613
HP:http://matsue-tk.co.jp/
| 会社名 |
株式会社 松江鉄工所 (まつえてっこうしょ) |
エミダス会員番号 | 26647 |
|---|---|---|---|
| 国 | 日本 | 住所 |
日本 愛知県 西尾市 |
| 電話番号 | 0563-52-1611 | FAX番号 | 0563-52-1613 |
| 資本金 | 1,000 万円 | 年間売上高 | |
| 社員数 | 39人 | 担当者 | 犬塚 大輔 |
| 産業分類 | 治工具 / 輸送機器 / 輸送機器電装品 | ||
| 主要取引先 |
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