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【はじめに】
クリーンルームで使用されるクリーンスーツや無塵衣は、作業者から発生する粒子(塵埃)や繊維片の拡散を抑えるために不可欠な装備です。しかし、繰り返し着用するうちに、クリーンスーツ自体に微細な粒子(塵埃)やリントが付着します。これらの付着物は通常の水道水では十分に除去できず、汚れが残ることでクリーンルーム内の清浄度を損ない、半導体・医薬品・精密機器・宇宙分野において重大な不具合につながる可能性があります。そこで導入されるのが「超純水洗浄」です。当社では、なぜ超純水洗浄が必要なのか、その理由と粒子汚染を防ぐ方法について解説します。
【純水と超純水の違い】
水道水や工業用水には、金属由来のイオン成分や微粒子、有機物、細菌などが含まれています。純水はそれらをある程度除去した水ですが、完全ではありません。これに対して、電気抵抗率最大18.2MΩ・cm級の超純水は、ほとんど不純物を含まない状態まで清浄度が高められた水であり、粒子や有機物を徹底的に除去することが可能です。
【粒子汚染を防ぐ仕組み】
クリーンスーツの繊維に残った微細粒子は、次回の着用時に剥離し、製品へ移行する危険性があります。特に半導体分野では、数ナノメートルレベルの粒子でも回路不良の原因となるため、洗浄精度が極めて重要です。超純水は繊維の奥深くまで浸透し、通常の水では除去できない粒子(0.5μm)や有機物まで確実に洗い落とします。
【一方向管理とクリーン環境】
超純水洗浄の効果を維持するためには、乾燥や包装までの工程を汚染環境から隔離する必要があります。バリア型洗濯機を用いた「汚染側から投入し、クリーン側から取り出す一方向管理」により、交差汚染を防止。さらに、クラス100のクリーンルーム環境で仕上げ・包装を行うことで、清浄度を高水準で維持します。
【乾燥と検査】
乾燥工程では、HEPAフィルタを搭載した乾燥機を使用し、清浄度の高い空気を大容量で供給。乾燥中にリント(糸くず)を吹き飛ばし、再付着を防止します。その後のたたみ作業では、毛髪や異物の混入を防ぐための目視検査を実施し、基準を満たしたスーツのみが次工程へ進みます。
【真空包装と品質保持】
検査済みのクリーンスーツは、専用のクリーンパックに封入し真空包装されます。これにより、輸送や保管中の再汚染を防ぎ、現場で開封するその瞬間まで高い清浄度を維持することが可能です。半導体や医薬品分野では、納入後すぐに使用できる状態であることが求められるため、この工程は信頼性の確保に直結します。
【バーコード管理とトレーサビリティ】
クリーンスーツにはバーコードを貼付し、個体別に管理。洗浄履歴や使用回数、作業工程の記録をデータベース化することで、監査対応や顧客からの問い合わせにも迅速かつ正確に対応できます。この管理体制はISO9001にも適合しており、品質保証の透明性を高める重要な仕組みです。
【まとめ】
クリーンスーツに超純水洗浄が必要な理由は、通常の水では除去できない微粒子や有機物を確実に取り除き、異物混入によるコンタミネーションを防ぐためです。超純水洗浄、バリア型洗濯機による一方向管理、クラス100クリーンルームでの検査・包装、真空包装、バーコード管理を組み合わせることで、厳格な品質基準に対応した清浄度管理が実現します。これらの取り組みは、半導体・医薬品・精密機器・宇宙分野における品質保証の基盤となり、現場の信頼性向上に大きく貢献します。
◆お問い合わせ先
テクノクリーン株式会社
〒407-0001 山梨県韮崎市藤井町駒井1438-1
TEL:0551-30-2525
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ホームページ:http://technoclean.jp/
| 会社名 |
テクノクリーン 株式会社 (てくのくりーん) |
エミダス会員番号 | 107348 |
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| 国 | 日本 | 住所 |
日本 山梨県 韮崎市 |
| 電話番号 | 0551-30-2525 | FAX番号 | ログインをすると表示されます |
| 資本金 | 3,000 万円 | 年間売上高 | |
| 社員数 | 60人 | 担当者 | 望月 敏光 |
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