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複合材成形では、プリプレグやプリフォームなど複数の層を重ねる工程が多く、素材の量や厚みによっては金型から材料がはみ出したり、飛び出したりすることがあります。その結果、圧力のかかり方が不均一になり、思い通りの形状が得られないケースも少なくありません。このような問題を防ぐ手法として有効なのが、賦形型を用いた成形プロセスです。
【賦形型とは】
賦形型とは、最終金型での成形に入る前に、材料をあらかじめ大まかな形に圧縮・成形するための中間工程用の型を指します。積層した材料が一度に最終金型へ収まりきらない場合、まず賦形型で圧力をかけながら中間製品(プリフォーム形状)を作成します。この中間製品を後工程で正規の金型にセットしてプレスすることで、材料の流動が安定し、最終製品の形状がきれいに仕上がります。
【賦形型を使うメリット】
一見すると工程が一つ増えるように見えますが、賦形型を使うことで材料ロスを大幅に減らせるという利点があります。金型内での材料の偏りやはみ出しを防ぐため、歩留まりが向上し、製品品質の安定にもつながります。さらに、素材の積層状態を最適化できるため、製品強度や寸法精度の面でも効果的です。結果として、工程数が増えても全体的な生産効率やコストパフォーマンスは向上するケースが多く見られます。
【チョップド材成形への応用】
賦形型は、チョップド材を用いた成形にも応用できます。チョップド材とは、短く裁断された繊維をランダムに混合した材料で、複雑形状や小型部品の成形に適しています。しかし、そのまま成形型に詰めると繊維の偏りが起きやすく、作業も煩雑です。そこで、あらかじめ賦形型を用いてチョップド材を圧縮・成形し、ビレット(中間製品)として準備します。その後、ビレットを成形型に入れて最終成形を行うことで、作業効率が向上し、製品の均質性も高まります。
ピンセットなどで細かい部分にチョップド材を詰める手作業に比べて、中間製品を用いる方法はスピーディーかつ再現性が高いことが特徴です。特に量産工程では、ビレット成形を組み合わせることで安定した生産サイクルが確立でき、生産性の大幅な向上が期待できます。
【コスト面での効果】
賦形型やビレット型を新たに製作するには一定の手間とコストがかかります。しかし、長期的に見れば、材料ロスの削減や工程短縮によるコストダウン効果のほうが大きい場合が多くあります。特に複合材のように高価な材料を扱う場合、無駄を最小限に抑えることは経済的な意味でも大きな価値があります。さらに、製品品質の安定化によって検査・修正コストも削減できるため、トータルでは「低コストで高品質なものづくり」を実現できる手法といえます。
【まとめ】
賦形型の導入は、単なる工程の追加ではなく、成形品質の向上・材料歩留まりの改善・生産性向上といった多くの効果をもたらします。特に複雑形状部品やチョップド材成形など、素材の流動や充填が難しい分野においては、非常に有効な手法です。初期コストを要するものの、長期的には高い生産効率と低コスト化を両立できる技術として注目されています。成形の安定化や品質向上を目指す現場では、賦形型を活用したプロセス検討が有力な選択肢となります。
【お問い合わせ先】
株式会社 河村機械工業所
本社:東京都板橋区清水町2-4 【コンポジットに対応】
花園工場:埼玉県深谷市北根10 【金属プレスに対応】
URL:https://www.kawamura-kikai.co.jp
お問い合わせフォーム:https://www.kawamura-kikai.co.jp/contact/
※お問い合わせの際は「エミダスを見た」とお伝えください。
| 会社名 |
株式会社 河村機械工業所 (かわむらきかいこうぎょうしょ) |
エミダス会員番号 | 105383 |
|---|---|---|---|
| 国 | 日本 | 住所 |
日本 東京都 板橋区 |
| 電話番号 | 03-3962-0415 | FAX番号 | ログインをすると表示されます |
| 資本金 | 6,400 万円 | 年間売上高 | |
| 社員数 | 50人 | 担当者 | 河村 護 |
| 産業分類 | 産業用機械 / 輸送機器 | ||
| 主要取引先 |
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