工業用材料

日鉄ステンレス NSSC® STH2 / 316L-HiNi

水素脆化は、金属内に水素が侵入することで、その強度や延性が低下し、脆くなる現象です。これは、水素燃料電池車（FCV）や水素ステーションの製造において克服すべき重要な課題となっています。当社は、この問題に対処するために、耐水素ガス脆化に優れた独自のステンレス鋼を開発しました。これにより、FCVや水素ステーションの安全性と信頼性を向上させ、水素社会の発展に貢献しています。

ステンレス鋼は通常、耐食性が高い特性を有しますが、水素ガスや液体水素環境下では水素脆化の影響を受ける可能性があります。特に、高圧水素ガスの取り扱いや貯蔵に関わる装置や部品では、水素脆化への対策が必要です。当社の耐水素脆化ステンレス鋼は、高い強度と耐久性を持ちつつ、高圧水素ガス環境下でも優れた耐脆化特性を有します。これにより、FCVや水素ステーションの安全性と信頼性を向上させ、水素社会の発展に貢献します。もちろん液体水素環境下でも同様の効果を有します。

当社の独自開発のステンレス鋼、NSSC® STH2は、水素環境下での優れた耐水素ガス脆化特性を有し、高強度でありながら、添加元素を適正化することで省資源化を実現しています。また、高圧ガス保安法/一般則例示基準に準拠した高圧水素用のステンレス鋼として316L-HiNiも提供しています。これらは、FCVの燃料タンクや水素供給装置において、安全性と耐久性を確保するための重要な材料となります。また、高い耐腐食性や機械的性能も兼ね備えており、環境負荷を最小限に抑えながら長期にわたる使用を実現します。

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