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業界特集
![人材育成と並行しWebで新規受注を増やす](https://emidas-magazine.nc-net.com/wp-content/uploads/2024/04/Picture2-1.jpg)
近畿防蝕株式会社(兵庫県三木市)
掲載企業近畿防蝕株式会社
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主要3品目
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めっき
研磨
溶射
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従業員数
57人
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年間売上高
- 9 億円
「硬質クロムめっきはノウハウ、経験の積み重ねです。また当社の仕事の自動化は難しい。だからこそ人材育成。技術の継承やノウハウの共有に力を入れています」――近畿防蝕株式会社の代表取締役古塚恵太郎氏は語る。同社の社員の平均年齢は40代前半。若い社員も多く、熟練者が後輩に技術を伝えることに注力している。「取引先は日本国内ですが、自分たちがめっきした製品は世界中に広がり、世界で働いている。そういう視野を持ってほしいと社員には伝えています」。
同社は硬質クロムめっきが売り上げの半分を占める。主な取引先は重工業メーカーだ。最大7mまでの長物に対応しており、産業機械、発電用設備などの大型部品のめっきを行っている。めっきはデリバリーの問題もあり、地域に根差した営業が中心だ。ただし同社には九州や東京といった遠方からも引き合いがあるという。新規の問い合わせが継続案件となることも多い。独自のマスキング技術による複雑形状の部分めっきといった技術力だけでなく、めっき品質、納期と総合的な対応力が評価されているためだ。
硬質クロムめっき業界は新規の取引先開拓が難しい。「硬質クロムめっきはお客様と一緒に品質を作りこんでいく」ため、めっき会社を変えてしまうと従来と同じようなめっきができるとは限らず、取引先にはリスクが大きいためだ。
一方で日本のめっき業界の問題として、廃業する会社が増加していることがある。そうした中で顧客も新たなめっき会社を開拓していくことになるが、1つのめっき会社の設備でできることが限られているため、目的のめっき設備を持った会社を探すのが難しい。めっき会社と、そしてめっき技術・設備を探す会社のマッチングに大きく役立っているのがエミダスというわけだ。「エミダスからの問い合わせも相当増えています。困っている会社と出会えることは素晴らしい」と古塚氏は太鼓判を押す。
今、ガソリン車から電気自動車に移行してきているが、同社の顧客における製品の基本構造に変化は見られず、現状では業務などで大きな変化は実感できていないという。硬質クロムめっき業界自体が比較的変化の少ない業界だという。
しかしカーボンニュートラルの観点からも、火力発電などのエネルギー転換がいずれ起こることが予想される。その変化がいつ、どのような規模で起こるのかは不透明だ。10年後にめっき産業がどうなっているかの見通しはなかなか立たない。変化に対応できるかどうかが課題だ。
近畿防蝕では「人材育成」「生産性向上」「生産管理システムによる業務改善」といった、今できることを着実に行っている。めっきは賃加工で最終製品を製造するわけではないため、他社の影響を受けやすい。同社では地道な積み重ねを堅実に行うことこそが、会社の力となると考えているということだ。
![本社外観、Head office building](https://emidas-magazine.nc-net.com/wp-content/uploads/2024/04/Picture1-1.jpg)
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