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業界特集
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植木プラスチック株式会社(群馬県太田市)
掲載企業植木プラスチック株式会社
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主要3品目
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真空成形(大型成形/ 自動車用品・部品トレー・ゲーム機カバー)
圧空成形(小型から大型/ 小ロット対応/ 医療機カバー)
2次加工(3次元加工・打抜き加工・曲げ加工)
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従業員数
100 人
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年間売上高
- 25 億円
植木プラスチック株式会社は、真空成形・圧空成形を主力としている成形加工メーカーだ。主な製造品目は自動車関係が6割を占め、ほかは農機、医療機器、遊戯機器などになる。細かな品目を含めれば、対応業種は多岐にわたる。同社は特に厚物と呼ばれる、自動車や医療機器などに使用される大型成形品についての引き合いが多い。真空成形としては大量生産に対応しており、さまざまな材料の手配ルートを持つことも強みだ。もともと同社はプラスチック加工会社としてはじまり、その後自動販売機のプラスチック板成形がメインとなり、売上の8割を担っていた。しかし自動販売機が薄型へモデルチェンジするにあたって市場が急激に縮小してしまったという苦い経験がある。そのため経営の柱を増やし、業界や取引先、取引品目を絞らずに、多業種多品種の製品を広くカバーしている。
真空成形は1回当たりのロットが小さいが、社内で型製造から成形までを一貫生産することで、短納期で対応できる。また射出成形と比較して金型費用を押さえられるため、大きなものやロットが小さいものほどコストメリットが大きい。多品種少量生産とスポット生産というモデルのため、試作や新しい仕事へも意欲的だ。経験豊かな営業マンたちが揃い、真空成形について知識のない取引先も強力にサポートする。代表取締役社長の植木宗一郎氏は「挑戦的な内容でも、お客様と一緒に作り上げていこうというチャレンジングな気風があります。どんどん新しい分野、新しい製品に挑戦していきたい」と語る。真空成形の課題は、人の手が多くかかるという点だ。そこで挑戦の1つとして、機械メーカーへ依頼して新たな設備を開発し、今年度より導入した。これまで職人の「感覚」や「経験値」で行っていた調整作業をセンサで数値化して運用している。真空成形は外気温に影響を受けてしまうが、これについてもセンサで極力調整ができるようにしている。「機械メーカーが持っていない技術だったので不安もありましたが、現在運用していて、9割方うまくいっています」と機械メーカー出身の植木氏は胸を張る。
環境配慮や社会的な問題にも意欲的だ。同社が担当したトラックのフロントグリルは、塗装レスで成形でき、CO₂削減に大きく貢献している。社内でも電力を40%削減することのできるヒーターを導入し、社内の省エネ化にも取り組んでいる。植木プラスチックは、センサの活用や新しい分野にチャレンジしつつ環境面からも時代に合ったものづくりを目指していく。
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