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業界特集
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多田プラスチック工業株式会社(大阪府藤井寺市)
掲載企業多田プラスチック工業株式会社
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主要3品目
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小型DCポンプ(マイクロポンプ)製造
プラスチック射出成形(精密成形)
発泡ポリウレタン成形
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従業員数
191人
セルロイドの加工から始まった多田プラスチック工業株式会社は、1947年国内の他の企業に先駆けて射出成形機を導入して以降、射出成形、硬質ポリウレタン発泡成形、そしてマイクロポンプの製造を3本柱に、業種・業界を問わずさまざまな製品を作り続けている。
射出成形では、緻密な寸法精度が要求される製品にも対応している。成形だけではなく、ミクロン単位よりさらに小さな精度での成形品の測定・評価を行う設備を整えており、客先の高い要望にも応えることができる。汎用プラスチックだけでなくスーパーエンジニアリングプラスチックの取り扱いも増えているという。クリーンルーム設備も有しており、食品包装などクリーン度を要求される分野でも引き合いが増えている。業界内でも早い段階からバイオプラスチックの試作を行っており、現在では多くの飲食店などで使用されている生分解性カトラリーの成形を行うなど、環境配慮に対応した製品の製造にも意欲的だ。バイオプラスチックはトレンドだが、技術面やコスト面で日本における工業化へのハードルは高い。同社では植物由来の材質について回るバラつきを自動で調整するなどの取り組みも行っており、常に課題解決の方法を探っている。
こうした多様な製品を製造するうえで、「アイデアを技術でカタチにする」というポリシーのもと、製造だけでなく設計や品質保証まで含めた提案力が同社の強みとなっている。取締役の前田匡史氏は「客先の要求事項だけでなく、その裏に何があるのかということまで汲み取って提案をしています」と自信を覗かせる。
製造環境も常に進化している。2011年からDX化を進め、プログラミングも内製しており、「生きたデータを今すぐにフィードバックし、不良を抑える」というシステムが稼働している。さらに熟練者しかできない作業を減らし、半自動化・全自動化などに前もって設備投資を行っており、省人化に向けて先取りの対策をしている。M&Aによってデザインや企画といった上流段階から製品にいたるまでの工程を担えるようになっているだけでなく、客先の幅も広がっている。
射出成形事業部事業部長の前田和周氏は「メイドインジャパンは中小企業の力があってこそであり、その再興は一社だけではできません。中小企業各社がプライドを持ち、ユニットとして案件を取りにいけるようにしたいと思っています。協力工場にもノウハウの共有や品質サポートを行い、上下関係ではなくパートナーとして互いに高め合える関係になっていきたい」と語る。多田プラスチック工業株式会社は創業100周年を超えて、なお時代の先を見据え、常に進化し続ける。
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(同社Webサイトより)