第22回 雇用に関する助成制度-補助金

昨今の景気の減退を受けて、中小企業の経営状態が厳しい状況にあります。受託業務の減少を受けて、人件費の負担が厳しい企業も散見されます。このような状況の下、景気の変動に応じて利用できる雇用の助成制度があります。

1. 雇用調整助成金

(ア) 概要
景気の変動等に伴い事業活動の縮小を余儀なくされて、休業、教育訓練(以下、「休業等」とします。)または出向を行うことにより労働者の雇用維持を図る企業は、休業手当や賃金等に相当する額の一部について助成を受けることができます。
(イ) 支援内容
① 助成率
2/3
② 教育訓練費
①の助成に加えて、教育訓練に関して1人1日当たり1,200円
③ 限度日数
3年間で300日が上限。最初の1年間では200日が上限。
④ その他留意事項
受給額は、1日1人当たり雇用保険基本手当日額の最高限度額が限度となります。
(ウ) 利用手続
① 休業等の実施計画届を事前に管轄都道府県労働局長に提出。
② 上記計画に基づき、休業等又は出向を行った後1ヶ月以内(出向の場合は2ヶ月以内)に支給申請書を提出。
なお、管轄労働局長の指揮監督するハローワークを経由して提出できる場合があります。
(エ) 問い合わせ先
最寄りのハローワーク又は都道府県労働局
ハローワーク:http://www.mhlw.go.jp/kyujin/hwmap.html
都道府県労働局:http://www.mhlw.go.jp/general/sosiki/chihou/

2. 中小企業緊急雇用安定助成金

(ア) 概要
中小企業に対し、上記「1.雇用調整助成金」の助成内容等を拡充した制度です。拡充箇所には下線を付しております。
(イ) 支援内容
① 助成率
4/5
② 教育訓練費
①の助成に加えて、教育訓練に関して1人1日当たり6,000円
③ 限度日数
3年間で300日が上限。最初の1年間では200日が上限。
④ その他留意事項
受給額は、1日1人当たり雇用保険基本手当日額の最高限度額が限度となります。
(ウ) 利用手続
① 休業等の実施計画届を事前に管轄都道府県労働局長に提出。
② 上記計画に基づき、休業等又は出向を行った後1ヶ月以内(出向の場合は2ヶ月以内)に支給申請書を提出。
なお、管轄労働局長の指揮監督するハローワークを経由して提出できる場合があります。
(エ) 問い合わせ先
最寄りのハローワーク又は都道府県労働局
ハローワーク:http://www.mhlw.go.jp/kyujin/hwmap.html
都道府県労働局:http://www.mhlw.go.jp/general/sosiki/chihou/

執筆者紹介
大井 宏明(おおいひろあき)

株式会社ルーキー
代表取締役社長

公認会計士。慶應義塾大学経済学部卒業。1999年から監査法人トーマツにてベンチャー企業の株式公開支援業務、法定監査業務、その他各種コンサルティング業務に従事。2005年末に監査法人トーマツ退社後、2006年初から上場準備企業の取締役CFOに就任し、上場準備業務の統括責任者となる。2008年株式会社ルーキーを設立、代表取締役社長に就任。経営戦略立案や社内体制整備等の各種コンサルティング業務を実施している。
株式会社ルーキーホームページ:http://rookie-japan.com

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