ISO14001規格要求事項は英語で「The organization shall~~」:日本語では「組織は~~しなければならない」と記述されているものが該当しますが、その骨子となる要求事項は「4.2項:環境方針、「環境方針には継続的改善、汚染の予防および法的要求事項・その他の要求事項を順守する旨のコミットメント(約束・宣言)を含むこと」と4.6項:マネジメントレビュー、「経営層は組織のEMSが適切、妥当で有効であることを確実にするためにレビューすること」の2点に集約されます。
まず最初に4.2項に記述されるコミットメント3項目に関して、要求事項を理解する必要があります。
簡単な点から始めますと
このような宣言を(公開)するわけですから、いずれかの機会に「宣言どおりに実施・運用されているかどうかをレビュー(確認・見直し)する」ことが必要なことは理解しやすいですね。
このように考えるとマネジメントレビュー(経営層による見直し)では上記3項目の状況に関する情報が必要になることは当然と理解できます。
そのため規格にはマネジメントレビューのインプットに a)~h)の8項目が決められており、それらは上記3項目のレビューに必要最低条件を含んでいます。
この2点の要求事項を実現するための手段として4.1項から4.5.5項までの個々の要求事項が配置されています。そのため上記2点以外の要求事項に適合することのみに注目された環境マネジメントシステムでは、「目標達成のための手段が目標になっている」ことになり効果的運用と言い難くなります。
ここで新たな問題発生です。「環境方針」「マネジメントレビュー」にコミットメント3項目:「継続的改善改善」「汚染の予防」「法・その他要求」事項順守」に関する「宣言」と「レビューのためのインプット情報」が必要なことは理解できるが、「ISO14001要求事項の一番の難関」である「環境側面」「著しい環境側面」は上記3項目の関連しているのか? が理解しにくく「ISO14001活動」のネックである「側面特定と環境活動がリンクしない」「紙・ごみ・電気のみが重点活動」「14001とは掃除等のボランティア活動なり」といった「活動の形骸化」の弊害へと繋がっています。
規格に使用される言葉「環境側面」「著しい環境側面」も当然上記3項目「継続的改善改善」「汚染の予防」「法・その他要求」事項順守」に系統分けが可能です。
ISO14001は要求事項はただ単に:組織は(~~「環境側面」を特定して~~「著しい環境側面」を決定する。)手順を確立し、実施し、維持すること。とのみ記述していますが、ISO14001を効果的・効率的に運用するための運用指針である「ISO14004:2004(環境ネジメントシステム-原則,システムおよび支援方法の一般指針)」では当然3項目を考慮した「環境側面の特定手法」および「著しさの決定基準」を用意しています。
以上を理解すると「作業は少なく」「効果は高い」ISO14001運用へとつながりやすくなります。
勿論、効果的運用には経営層の積極的姿勢が必要なことは言うまでもありません。