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■ はじめに
塗装のリカバリー(再塗装・修正)は、どんな現場にもつきものです。
しかし、理想は「やり直さなくて済む塗膜を最初から設計すること」。
つまり、“一度で仕上げる技術”こそ、真の品質管理です。
その鍵となるのが、**塗膜設計(膜厚・硬化・層構成)**です。
■ ① 膜厚設計 ― 厚すぎず、薄すぎず
膜厚は見た目だけでなく、密着・耐食・硬化に直結する要素です。
・厚すぎる → 乾燥ムラ、割れ、ブリスター(膨れ)の原因に
・薄すぎる → 下地露出・防錆不足・色ムラが発生
目安として、一般的な焼付塗装では 1コートあたり20〜30μm前後 が安定ゾーンです。
仕上がりを厚く見せたい場合でも、1回で厚く塗るのではなく、2コートで積層して硬化させる方が安全です。
■ ② 硬化条件 ― 温度と時間の「最適点」を探る
焼付や乾燥は、「温度を上げればいい」というものではありません。
塗膜内部の溶剤が完全に抜けきる時間を確保しないと、
内部に残留ガスが発生し、後から膨れやピンホールの原因になります。
例えば、150℃×30分の指定条件がある場合、
生産量を優先して180℃×15分に変更すると、外側だけ硬化して内側が未硬化となるケースがあります。
メーカー推奨条件は“目安”ではなく“基準”として守ることが大切です。
■ ③ 層構成 ― 下塗り・中塗り・上塗りの役割を分ける
リカバリーの多くは「一層で全部を解決しようとした塗装」に起こります。
本来はそれぞれに明確な役割があります。
下塗り(プライマー):密着性と防錆力を確保する層
中塗り(サーフェイサー):膜厚を稼ぎ、平滑性を整える層
上塗り(トップコート):外観・耐候性・艶を決める層
この3層構成がきちんと独立して機能すれば、
たとえ一部に小さな不良が出ても、塗膜全体の防錆力は維持できます。
■ ④ 再現性を上げるための「記録と再現」
塗装品質を安定させる最大の武器は、再現性です。
ガン距離・吐出量・電圧・温度・湿度・塗料粘度など、
毎回の塗装条件を「良品時のデータ」として残し、リカバリー時に照合できる体制をつくりましょう。
感覚から管理へ――これが塗装現場の進化です。
■ まとめ
塗膜設計とは、塗る技術ではなく「失敗しないための仕組みづくり」です。
膜厚を整え、硬化を見極め、層を正しく積み上げる。
その積み重ねが、リカバリーを減らし、**“一度で仕上げる塗装品質”**を実現します。
■ 企業情報
永和工芸株式会社
〒547-0003 大阪府大阪市平野区喜連5丁目5−60
TEL:06-6709-2349
FAX:06-6708-1445
Web:https://kinzokutoso.com/
GoogleMAP:https://maps.app.goo.gl/2Q4aDKJSRYQTVUy66
| 会社名 |
永和工芸 株式会社 (えいわこうげい) |
エミダス会員番号 | 77303 |
|---|---|---|---|
| 国 | 日本 | 住所 |
日本 大阪府 大阪市平野区 |
| 電話番号 | 06-6709-2349 | FAX番号 | 06-6708-1445 |
| 資本金 | 1,000 万円 | 年間売上高 | 11,000 万円 |
| 社員数 | 15人 | 担当者 | 松本 悦典 |
| 産業分類 | 産業用機械 / 建築土木資材 / 輸送機器 | ||
| 主要取引先 |
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