医療現場では、CTスキャンをはじめとする高度な診断機器の性能と安全性が日々求められています。こうした医療機器の中には、ゴム部品が重要な機能を担っているケースが多く、特に薬品や溶剤が関わる環境では、高い耐性と安定性を備えた素材・加工技術が不可欠です。今回ご紹介するのは、CTスキャン装置内に組み込まれる「ダイヤフラム」の製作事例です。医療分野特有の厳しい条件を満たすため、素材選定から成形法、ロット対応まで、一貫して対応しました。

本製品は、NBR（ニトリルゴム）60°の中硬度グレードを使用した、□120mm×高さ74mmの角型ダイヤフラムです。主に耐油性・耐溶剤性・耐薬品性が求められる部位に使用されることから、材質には耐性のあるNBRを選定。ゴム成形にはコンプレッション成形（加硫圧縮成形）を採用し、厚みのある立体形状でも寸法精度と気密性を確保しています。

成形時には、素材内部の流動性や硬化速度を制御しながら、エア巻き込みやバリの抑制にも細心の注意を払いました。特に医療用途の場合、仕上がり品質が製品全体の信頼性に直結するため、製品精度だけでなく、外観の均一性やバリレス加工も重要な要件です。弊社では、社内に専用の金型設計ノウハウと加工技術を有しており、50個／ロットの中量生産にも柔軟に対応しています。

【企業情報】
三昌工業株式会社
所在地：東京都 世田谷区上馬 1丁目34番17号
TEL：03-3424-4171
FAX：03-3424-5537
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